2006年度上智大学シラバス

2006/02/22更新
◆貿易と環境 - (後)
岡村 堯
○講義概要
貿易と環境の問題はどういった場合に起きるのか。EU(EC)は1958年に成立したが、それ以来、自由な取引は一大原則として認められてきた。ところが1970年代に入るや環境保護が大きく採り上げられるようになり、これまたEUの大原則になったのである。ここで問題になるのは、環境保護を理由に取引貿易をどこまで制限できるかということである。
○評価方法
後期学期末試験(授業期間中)(100%)
○テキスト
岡村 堯『ヨーロッパ環境法』 三省堂 2004
島野・岡村・田中『EU入門』 有斐閣 2000
淡路・大塚・北村編『環境法判例百選』有斐閣別冊ジュリストNo.171 2004
岡村 尭『EUにおける日本企業の法務』日本経済新聞社 2006年5月刊行予定
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1自由な取引の概念① (自由な取引は、EUの基本原則)
2自由な取引の概念② (自由な取引は、EUの基本原則)
3環境保護の問題① (環境保護と自由な取引の抵触)
4環境保護の問題②(環境保護と自由な取引の抵触)
5基本規程:
EC条約28条(輸入制限の禁止)
EC条約29条(輸出制限の禁止)の検討
6基本規程:
EC条約30条(輸出入の合法的規制)についての検討
7EUの場合:
EUにおける訴訟制度
不作為確認の訴訟・行政機関による環境紛争処理
8同上
9わが国の場合:
行政機関による環境紛争処理
10わが国の場合:
環境行政事件訴訟 1)抗告訴訟、2)当事者訴訟
11環境訴訟の判例(EU):
1)Jos.Vanacker事件(C-37/92)
2)Toolex Alpha事件(C-473/98)
12訴訟の判例(日本):
1)四日市ぜん息事件(大気)
2)山王川事件(水質汚濁)
13訴訟の判例(日本):
3)麻ロープ製造工場事件(工場騒音)
4)フジコー産業廃棄物事件(廃棄物)

  

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