2006年度上智大学シラバス

2006/02/20更新
◆物理汎論A - (前)
有馬 孝尚
○科目サブタイトル
磁石の光機能と電子機能
○講義概要
磁性体の光物性や電子輸送物性を紹介し、それらを微視的な視点からどのように理解したらよいのかを、なるべく固体物理に偏らず一般的な物理の立場で概観したい。9月に開講予定の集中講義である。
○評価方法
出席状況(25%)、リアクションペーパー(50%)、レポート(25%)
○テキスト
使用しない
○参考書
古典力学、量子力学、統計力学の基礎がわかる本が参考になるでしょう。
○他学部・他学科生の受講

○ホームページURL
http://www.tagen.tohoku.ac.jp/labo/arima/lecture.html
○授業計画
1「磁気光学1~なぜファラデー回転が起きるか」
物質の光応答を微視的な描像で理解する方法について述べる
2「磁気光学2~ファラデー回転と磁気円二色性」
周波数応答の実部と虚部の意味を述べ、その二つが因果律によって結びつくことを知る
3「磁気光学3~スペクトルを理解しよう」
電子のスピンと軌道運動が関連していることを述べた上で、磁気光学を光吸収に対する軌道角運動量の変化の規則と対応付けて考える。
4「異常ホール効果と磁気光学の関係」
電子の伝導現象が光応答と周波数拡張により対応付けられることを示す。
5「負磁気抵抗効果~磁気秩序とスピン散乱」
超交換相互作用とs-d相互作用について簡単に解説し、磁気秩序が伝導に与える効果を述べる。
6「巨大磁気抵抗効果~相転移と巨大応答」
物質の応答が相転移近傍では外場の低次の展開では表されないほど巨大になりうることを述べる。
7「反強磁性体の磁気光学~磁気点群」
光応答における非線形性について簡単に紹介し、磁性体の光学応答に対する磁気点群の重要性を述べる。

  

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