2006年度上智大学シラバス
2005/12/21更新
◆化学特論Ⅱ(分子軌道法) - (前)
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時田 澄男
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○講義概要 |
化学は電子状態を扱う学問であるという観点から、以下の事項について講述する。マルチメディアを利用した新しい教育方法も紹介する。 1. 電子状態を記述する波動方程式はどのような背景の下で導出されたかを、原子スペクトルや周期表等、物質に関係する身近な現象をもとに解説する。 2. 量子力学の世界では軌道概念がどのように描画できるかをいろいろな方法で紹介し、化学結合の理解における波動性の考え方の大切さを述べる。 3. いろいろな分子軌道法における近似法と応用分野との関連を、基本的なソフトウェアを用いて比較検討する方法を紹介する。主として機能性色素物質の設計という観点で取扱う。
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○評価方法 |
授業参画(30%)、小テスト等(70%) 小テストは理解を確認するためのもので、教科書の記述や例題を参照すれば平易に解けるレベルに限定する。
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○テキスト |
テキスト1の利用者には関連するソフトウェアを無料で配布する。 時田澄男、染川賢一『パソコンで考える量子化学の基礎』 裳華房, 2005
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○参考書 |
渡辺正 編『化学ラボガイド』朝倉書店, 2001 亀岡弘, 井上誠一 編『有機工業化学-そのエッセンス』裳華房, 1999 時田澄男 監修『エレクトロニクス用機能性色素』シーエムシー, 2005
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○授業計画 |
1 | 水素原子のスペクトル |
2 | 電子の発見 |
3 | 原子構造 |
4 | 不確定性原理 |
5 | 定常波 |
6 | シュレーディンガーの波動方程式 |
7 | 水素原子 |
8 | 自由電子模型とその活用 |
9 | ヒュッケル分子軌道法 |
10 | PPP分子軌道法 |
11 | 酸素の磁性 |
12 | 分子の形はどのようにして決まるか |
13 | 共有結合におけるイオン性 |
14 | ペリ環状反応 |
15 | まとめ |
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