2006年度上智大学シラバス

2006/03/03更新
◆日本史特講(近世都市と情報)Ⅰ - (前)
渡辺 浩一
○講義概要
 この講義では、播州三木町に関する17世紀末から20世紀初頭までに書かれた歴史叙述を読み解きながら、日本近世都市について理解する。その場合、虫干し行事という儀礼や文書保管という実践的行為との関連を重視する。比較史の観点も取り入れる。三分の二は近世文書の近世史であり、残り三分の一は近世文書の近代史である。
○評価方法
出席状況(20%)、授業参画(30%)、レポート(50%)
レポートを課す。課題は講義内容の批評。分量は400字詰め換算5枚程度。参考文献(テキストではない)最低1本の参照を条件とする。
○テキスト
渡辺浩一『まちの記憶―播州三木町の歴史叙述』 清文堂・2004年
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1プロローグ-夏の義民祭り
2第1章 近世の記憶 (1)近世三木町の都市構造
3第1章 近世の記憶 (2)想起される記憶
4第1章 近世の記憶 (3)文書保管儀礼と歴史叙述
5第1章 近世の記憶 (4)宝蔵文書の保管状況
6第2章 記憶の考証と演出 (1)歴史叙述の展開
7第2章 記憶の考証と演出 (2)物語構築の背景
8第2章 記憶の考証と演出 (3)近世日本の都市歴史叙述
9第2章 記憶の考証と演出 (4)領主・公儀との交流と秀吉伝承
10<特論>イングランド・グレイトヤーマスとの比較
11第3章 近代の記憶 (1)公式の歴史叙述
12第3章 近代の記憶 (2)時頼伝説の復活と躍動する義民
13第3章 近代の記憶 (3)近代の文書保管儀礼
14エピローグ-冬の義民祭り
15(予備日)

  

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