2006年度上智大学シラバス

2006/02/22更新
◆近世哲学文献研究ⅢA - (前)
鹿島 徹
○科目サブタイトル
ハイデガー『存在と時間』入門
○講義概要
 ハイデガー『存在と時間』の序論(Einleitung)を読みながら、20世紀思想に大きな影響を与えたこの書の全体像(主要問題・基本構造・哲学史的背景・現代的意義)をとらえる試みを行います。
 思想内容・論述構造についての解説を適宜行いながら、ドイツ語原書の重要箇所を訳読する形式で進めてゆきます。テクストの性格上、哲学書を読みこなすだけのドイツ語中上級文法知識を学ぶ場に、おのずとなります。ただし、初級文法さえ習得していれば、参加に困難はありません。
○評価方法
授業参画(50%)、レポート(50%)
○テキスト
 下記のテクストの必要箇所をコピーして配布します。ただしこの本は、紀伊国屋書店など都内の洋書店で簡単に手に入りますので(3000円程度)、それを購入して使用してもらってもかまいません。
Martin Heidegger『Sein und Zeit』 Max Niemeyer
○参考書
 以下では、ごく初心者用の入門書として適当と思われるものを1冊、講義担当者の『存在と時間』理解を示したものを1点、そして『存在と時間』に並ぶ「幻の第二の主著」『哲学への寄与』の全体像を解読する参考書を1冊、挙げておきます。関心に応じて参考にしてください。
高田珠樹『ハイデガー ― 存在の歴史』講談社(シリーズ「現代思想の冒険者たち」)
鹿島徹『可能性としての歴史 ― 越境する物語り理論
第5章「個人と歴史を結ぶもの」』岩波書店 2006年5月刊行予定
鹿島徹・相楽勉・佐藤優子・関口浩・山本英輔・H.P.リーダーバッハ『ハイデガー『哲学への寄与』解読』平凡社 2006年3月
○必要な外国語
ドイツ語
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1第1回目には、講義担当者の理解するハイデガー哲学像を簡単に説明し、進行方法の説明と訳読箇所の指示などを行います。最初はゆっくり訳読を進めますが、学期中に『存在と時間』序論末尾までたどりつくよう工夫します。

  

Copyright (C) 2006 Sophia University
By:上智大学 学事センター