2006年度上智大学シラバス

2006/02/04更新
◆古代哲学文献研究ⅠB - (後)
荻野 弘之
○科目サブタイトル
プラトンの自然哲学(前期からの継続)
○講義概要
 プラトン後期の問題作『ティマイオス』を精読する。この作品は、中世から近世にかけてプラトンの主著とされ、コスモロジーの古典として、また世界創造の理論としてプラトン主義やユダヤ教、キリスト教思想圏で膨大な注釈書を生み出した。
 授業では、ギリシア語の予備知識は特に前提せず、英訳本(コーンフォード)を共通の題材にして、受講者各自の予備知識に応じて、原典、邦訳、注解書を随時参照する。教科書風に矮小化されたプラトンの追認ではなく、(1)対話の展開に息づく問題の根を注視し、行間を精密に読み抜く解釈の技法と、(2)聴講者同士の共同作業や討議を通じて、ひとりよがりでない自分の思考を鍛え上げて行くこと、(3)日常生活の言語経験の反省に立った哲学的センスを養うこと、が目標。
 演習形式で毎回順番に担当者を決めて、訳読と論点を整理し報告してもらう。学部科目と共通授業。意欲があれば、古代哲学専攻以外の大学院生も歓迎する。
 後期は、立体幾何学にもとづく思弁的な天文学や生物学など、古代の自然哲学を総覧することになる。シャルトル学派など中世における様々な解釈史やホワイトヘッドなど、多角的な視野から問題に迫る。
○評価方法
出席状況(20%)、授業参画(50%)、レポート(30%)
学期末レポートは5000字程度
○テキスト
テキストは各自で購入すること。(Amazon.com では06年2月現在¥2,242)
現物の見本は荻野研究室にある。
ただし洋書購入に慣れておらず、不安な場合は、こちらでまとめて購入してあげるので、早めに連絡せよ。
h-ogino@sophia.ac.jp
F.M. Cornford "Plato's Cosmology:The Timaeus of Plato, translated with a running commentary" Hackett,1977, ISBN:0-87220-386-7 (Paperback)
プラトン『ティマイオス(種山恭子訳)『プラトン全集12』収録』 岩波書店
J.Burnet ed. "Platonis Opera, Tome 4" Oxford Classical Textes
○参考書
参考文献は授業中に指示する。図書館一階リザーブコーナーに揃えてある。
荻野弘之『哲学の饗宴--ソクラテス・プラトン・アリストテレス』NHK出版 2003
○必要な外国語
英語、日本語 ,
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1授業の進め方に関する説明。テキストと参考文献の指示。
2前期のまとめ、問題点の確認
3講読(報告者による分担)
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13まとめの会

  

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