2006年度上智大学シラバス

2006/01/12更新
◆教理史Ⅰ - (前)
増田 祐志
○講義概要
教理とは、イエス・キリストにおいて体験された救いの体験を言語化したものである。当然、言語化された時代の哲学的・文化的影響を強く受けている。この教理が世代間において伝承される際、異なる言語、概念、哲学、神学用語が用いられ、あるものは正統、あるものは異端とされる。それらの歴史を吟味することによって、時代によって様々に表現される教理に通定するキリスト教信仰の本質を見いだすことができる。それは現代日本においてどのようにキリスト教信仰を、その本質を歪曲することなく再表現しうるのかという課題にとって避けては通れない問いでもある。前期は古代のキリスト論論争について扱う。
○評価方法
授業参画(70%)、レポート(30%)
授業参加は参画(ディスカッションへの参与)を含む。それと担当箇所の発表の充実度、さらにレポートの三要素を、上記割合によって計算し、総合評価を決定する。
○テキスト
水垣渉・小高毅 編集『キリスト論論争史』 日本キリスト教団出版局
○参考書
「中世思想原典集成」シリーズ他、邦訳されている古代教父の著作。
Jaroslav Pelikan "Christian Tradition: A History of the Development of Doctrine." University of Chicago Press, 1975
フスト・ゴンザレス『キリスト教史』新教出版社
○必要な外国語
英語
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
14月12日 イントロダクション
24月19日 Tradition and traditions
34月26日 ユスティヌス
45月10日 イレネウス、テルトゥリアヌス
55月17日 モナルキアニズム
65月24日 サモサタのパウロ
75月31日 アリウスとアタナシウス、二ケア公会議
86月7日 カパドキアの三教父、コンスタンティノーポリス公会議
96月14日 アウグスティヌス
106月21日 アポリナリウス
116月28日 キュリロスとネストリウス、テオトコス論争とエフェソ公会議
127月5日 エウキュティス、レオ、カルケドン公会議
137月12日 総括

  

Copyright (C) 2006 Sophia University
By:上智大学 学事センター