2005年度上智大学シラバス

◆文化社会学 - (後)
芳賀学
○科目サブタイトル
消費社会と現代精神文化の諸相
○講義概要
1980年代以降の日本社会では、「自分が何者であり、どのように生きていくべきか」というアイデンティティに独特の回答をもたらすものの、従来の宗教集団とは一線を画する精神文化(=グレーゾーン)がさまざまな形で興隆している。この講義では、主として消費社会論にもとづいて現代社会のメカニズムを解説しつつ、自己啓発セミナー、セルフ・ヘルプ・グループ、ネットワークビジネス、エステ、占いといった現象をビデオ映像を駆使しつつ取り上げ、個別に分析を試みる。そして、そのことを通じて私たち現代日本人の暮らし方や考え方の特徴とその問題点についてのより深い理解を目指す。なお、この講義の受講は、宗教社会学Ⅰの単位取得者に限る。
○評価方法
リアクションペーパー(30%)、後期学期末試験(授業期間中)(70%)
○テキスト
なし
○参考書
伊藤雅之・樫尾直樹・弓山達也編『スピリチュアリティの社会学』世界思想社,2004年
島薗進『精神世界のゆくえ』東京堂書店
芳賀学・弓山達也『祈る ふれあう 感じる―自分探しのオデッセー―』IPC,1994年
○必要な外国語
なし
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1イントロダクション
2教団宗教の衰退とグレーゾーンの拡大
3自己啓発セミナー
41.5次関係の拡大と消費社会の論理
5匿名のしゃべり場:セルフ・ヘルプ・グループ
6夢を追いかける新しい共同体?:ネットワークビジネス
7自分探しか、コンプレックス克服産業か:エステティック・サロン
8現代の物語製造装置:占い
9ストレス神話の対応物:ヒーリング・ビジネス
10精神文化から、より広い現代文化へ
11まとめ1:表出的個体主義の時代
12まとめ2:2種類の自己コントロール
13期末テスト

  

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