2005年度上智大学シラバス

◆ロシア文化史1 - (前)
長縄 光男
○科目サブタイトル
近代ロシアの社会と思想
○講義概要
ピョートル1世以後の近代ロシア社会の変貌と発展に対応して、ロシアの思想がどのように変化して行ったかについて詳述し、ロシア革命を招来した思想的経緯を明らかにし、現代ロシアを理解する手がかり探る。
プログラムの概要は以下の通り
1.ピョートル1世の時代―「欧化」の本質
2.エカテリナ2世の時代―知識人の悲劇の始まり
3.アレクサンドル1世の時代―ナポレオン戦争の意義・デカブリストの思想
4.ニコライ1世の時代―西欧派とスラヴ派の形成(以上前期)
5.アレクサンドル2世の時代―大改革の思想・ナロードニキの運動
6.アレクサンドル3世の時代―資本主義の発展とマルクス主義の浸透
7.ニコライ2世の時代―日露戦争の敗北から革命の時代へ
8.ソヴィエト時代―ロシア革命の経過とその矛盾(以上後期)
(詳細は授業計画を参照)
○評価方法
出席状況(10%)、リアクションペーパー(10%)、レポート(80%)
○必要な外国語
特になし
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1ピョートル1世時代(18世紀第2四半期)の西欧化の目的は西欧的な絶対主義の国家を造ることにあっり、決して西欧の市民社会を学ぼうとしたものではなかったことについて詳述する。
2ピョートル以後(18世紀第2四半期)のロシア社会の変貌について述べ、エカテリナ2世の時代への序章とする。
3エカテリナ2世時代(18世紀後半)の「西欧化」とピョートル1世時代の「西欧化」の違いについて考察し、同時代の西欧の思想を学んだ者の悲劇について、ラジシチェフやノヴィコーフらを事例として、詳述する。
4アレクサンドル1世時代の前期(1801年―12年)について。その自由主義的雰囲気とそこで為された幾つかの改革の成果について検討する。
5アレクサンドル1世時代(1801-1825)を前期と後期とに分けるナポレオン戦争(1812年)がロシア思想のその後の展開にいかなる意味を持ったかについて考える
6アレクサンドル1世治下で形成された各種の秘密結社とその思想、特にデカブリストの思想について考察する。
7デカブリストの反乱(1825年)を鎮圧することによって始まったニコライ1世の時代の特質について検討する
8ニコライ1世の時代(1825-1855)の思想について(その1):ピョートル・チャアダーエフの思想を紹介する
9ニコライ1世の時代の思想について(その2):スラヴ派の形成と展開
10ニコライ1世の時代の思想について(その3):スラヴ派の思想(イワン・キレーエフスキーを中心として)
11ニコライ1世の時代の思想について(その4):西欧派の形成と展開
12ニコライ1世の時代の思想について(その5):西欧派の思想(アレクサンドル・ゲルツェンを中心として)
13(前期予備日)
14(前期予備)
15後期については授業計画の詳細は未定

  

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