2005年度上智大学シラバス

◆西現代史1 - (前)
中塚 次郎
○科目サブタイトル
スペインにおけるナショナリズムの歴史1
○講義概要
スペインは地域的多様性にあふれた国家である。農業のあり方や居住の形態、広い意味での文化が、地域ごとに特色をもっている。政治的にも地域の主張が強く、多くの地域でナショナリズム・地域主義運動が展開し、その結果、現在の国家は自治州体制をとっている。本講義「西現代史1」では、ネイション・近代国家・ナショナリズム・民族などの概念について考察したのち、現代までの地域形成の歴史を概観する。
 後期「西現代史2」では、各論として、ナショナリズム運動が強いカタルーニャとバスク、さらに固有の言語をもちながらナショナリズムが弱かったガリシアを検討するが、前期はその前提となるものである。
 前・後期とおしての講義の構成や、参考文献については、初回に説明する。また、スペイン史を通史的に説明する余裕はないので、特に近現代史について、あらかじめ勉強しておいて欲しい。
○評価方法
出席状況(20%)、前期学期末試験(定期試験期間中)(80%)
○テキスト
中塚次郎・立石博高(編)『スペインにおける国家と地域―ナショナリズムの相克―』 国際書院、2002年
○参考書
立石博高(編)『スペイン・ポルトガル史』山川出版社、2000年
中塚ほか(編)『スペインの歴史』昭和堂、1998年
○必要な外国語
なし
○他学部・他学科生の受講

○ホームページURL
なし
○授業計画
1はじめに:講義の目的と構成。
2民族とはなにか。
3フランス革命:ネイションの誕生。
4国民国家の建設。
5ナショナリズムの誕生と隆盛。
6「ユダヤ人」についての考察。
7「ジプシー」についての考察。
8スペインの地理的条件と地域の形成。
9地域形成の歴史。
101910年代のナショナリズムの高揚。
11第二共和政における自治問題。
12フランコ独裁下のナショナリズム。
13民主化と自治州体制の成立。

  

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