1 | 航空産業論概観 本講義では航空機がどのようなルールに基づいて世界各国を飛ぶことができるのか、航空産業が成り立つ国際条約やシステム、歴史など、13回にわたる講義内容を概観する。 |
2 | 航空産業発展の歴史 1903年にライト兄弟が人類初の飛行に成功してから約100年。以後航空機は二つの世界大戦を契機に飛躍的に発達していった。この間世界一の名門航空会社パンナムが倒産するなど航空会社は栄枯盛衰を重ねてきた。ここでは世界や日本の航空産業の歴史を概観する。 |
3 | ICAOとIATA 航空機が国籍を越えて、昼夜支障なく飛行できる国家間のシステムが国連の専門機関であるICAOであり、IATAは航空会社がビジネスとして成り立つために必要な世界統一システムを協議するために設立された民間任意団体である。IATAは世界の主要民間航空会社約200社が加盟し、航空会社の円滑な経営を側面から支えている。 |
4 | 日本と世界の空港。民営化の世界的潮流と日本の空港整備特別会計。 世界の空港の主流はハブ・拠点空港である。世界の先進国やアジアの各国のハブ・拠点空港にかける意欲と規模は凄まじい。日本に空港が105もありながらハブ空港が一つもないのは何故か。空港整備特別会計との関係を探る。 |
5 | 世界の規制緩和、日本、アメリカ、欧州。 オープンスカイ政策など、欧米各国は航空の規制緩和あるいは撤廃を進めている。日本も、Air Do, Skymark, Skynetなど新規参入を認めてきたが、オープンスカイ政策は採っていない。世界と日本の航空規制緩和政策の相違を考える。 |
6 | 航空事故 航空産業の歴史は事故の歴史でもある。日航機が御巣鷹山に墜落したのは1985年8月。先人は事故防止のため、多くの安全装置を開発してきたが、事故はなくならない。ICAOの統計によれば、事故はあるパーセンテージ以下には下がらない。御巣鷹山で世話役を経験した講師が事故の歴史と事例を紹介する。 |
7 | 航空運賃と市場価格 IATAの航空運賃決定の仕組みと公示運賃。公示運賃と市場価格の差があるのは何故か。 |
8 | 運航乗務員と地上職 卒業生で日航の現役パイロットによる経験談及び地上職による企業紹介。 |
9 | 客室運航乗務員 卒業生で日航客室乗務員OBによる業務紹介と経験談。 |
10 | 航空会社の労使関係 一般的に日本の労働組合は企業内組合である。欧米の組合は職能別の横断組合が多い。日本の航空会社は乗員組合とか地上職組合、客室乗務員組合など、欧米型の組織であり、独特の労使関係が存在する。全日航労組の中央執行委員だった講師が、日本の航空会社の労使関係を論ずる。 |
11 | 日本人の海外旅行概観と旅行代理店、JATAの役割。 1700~1800万人の日本人が毎年海外旅行をしている。1964年に海外渡航が自由化されて以来、旅行者数が増加してきた経緯と要因を分析。この間、旅行客増加に果たしてきた旅行代理店の役割と貢献度は大きい。航空産業の発展に旅行代理店の役割や上部組織のJATAの機能を紹介する。 |
12 | IATA BSPとCASS 旅客から旅行代理店、旅行代理店から航空会社へと流れる膨大な航空運賃はどのように収受され、どのように精算されているのであろうか。航空代理店と航空会社間の決済、航空会社同士の料金決済システムであるBSPと航空空貨物の精算システムCASSを紹介。 |
13 | 航空産業論総括 航空会社の競争相手は航空会社だけではない。新幹線やフランスのTGVなど高速鉄道とも激しい競争を展開している。国民経済的観点から、航空会社と高速鉄道の棲み分けを探り、13回にわたる本講義、巨大な装置産業であり資本集約型の典型である航空産業の講義を締めくくる。 |
14 | 特別講義/企業見学 手配可能な土曜日に、日航羽田整備工場見学会を実施。 |