○講義概要 |
本講義は、戦後東アジアの国際政治の展開との接点に焦点をあてながら、戦後日本外交の全体像と基本的性格を分析的に理解することを目的とする。戦後日本外交の基本的性格は、東アジア国際政治環境によってどのように規定されてきたのだろうか。また、日本外交は国際政治環境にどのように反応し、寄与してきたのだろうか。本講義を通して、これらの問いを考える上での分析的視角を提示したい。中心的に扱う地域は、日本、中国、朝鮮半島、台湾、ASEAN諸国を含む東アジアであるが、講義の中では必要に応じて他の地域における展開にも触れる。毎回課題文献を提示するので、授業前に読んでおくこと。
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○評価方法 |
後期学期末試験(定期試験期間中)(80%)、小テスト等(20%) 毎回リアクションペーパーの課題を提示するが、提出は任意とし、評価は後期学年末試験の加点を対象とする。
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○テキスト |
五百旗頭真『戦後日本外交史』 有斐閣アルマ・1999年 松岡完・広瀬佳一・竹中佳彦『冷戦史―その起源・展開・終焉と日本』 同文舘出版2003年
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○参考書 |
添谷芳秀『日本のミドルパワー外交』ちくま新書・2005年
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○授業計画 |
1 | 序論 勢力均衡と第一次大戦 |
2 | 戦間期と第二次世界大戦 |
3 | 冷戦期の展開 |
4 | 冷戦期の軍事戦略 |
5 | 冷戦期の軍縮・不拡散条約 |
6 | 冷戦期の地域戦争 |
7 | 集団的安全保障と平和維持 |
8 | 冷戦の終結 |
9 | ポスト冷戦期と対テロ戦争 |
10 | 戦争の分析レベル |
11 | 世界システムと戦争 |
12 | ゲーム論における戦争 |
13 | 行動科学と戦争分析 |
14 | 質疑応答 |
15 | 小テスト |
16 | イントロダクション 冷戦の起源と東アジアでの展開 |
17 | 占領下における戦後日本外交の形成と国内冷戦の萌芽 |
18 | 東アジア諸国の独立と冷戦の展開 |
19 | 日本外交のアジアへの復帰―「アジアの一員として」 |
20 | ベトナム戦争の展開と中ソ対立の激化 |
21 | 日本の対アジア太平洋外交の活発化と日韓国交正常化 |
22 | 東アジアにおける冷戦の変容―米中接近 |
23 | 国際環境の変容下での日本の「自主外交」 |
24 | 新冷戦の展開とアジアNIEsの経済発展 |
25 | 「西側の一員」としての日本のアジア外交 |
26 | 冷戦の終結の東アジアへの影響と中国の台頭 |
27 | 冷戦後の日本のアジア外交の展開と今日の外交上の課題 |
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By:上智大学学事部学務課
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