○講義概要 |
大乗仏教の哲学思想の重要な1つの流れに、瑜伽行派の唯識思想がある。それは、あらゆる実体的存在を否定していく現代哲学とも十分対話できる。精密な哲学体系を有している。本講では。唯識の代表的な文献である世親の『唯識三十頌』の詳しい注釈書である玄契訳『成唯識論』を読みつつ、その人間観、世界観について理解を深め、またその現代的意義について考える。
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○評価方法 |
出席状況(33%)、前期学期末試験(定期試験期間中)(33%)、後期学期末試験(定期試験期間中)(34%)
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○参考書 |
竹村牧男『インド仏教の歴史―「覚り」と「空」』講談社学術文庫 2004年 竹村牧男『知の体系―迷いを超える唯識のメカニズム』佼成出版社 1996年 竹村牧男『唯識の探求―『唯識三十頌』を読む』春秋社 1992年
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○授業計画 |
1 | 導入Ⅰ 仏教史の中の唯識の位置 |
2 | 導入Ⅱ 瑜伽行派の歴史 |
3 | 導入Ⅲ 唯識思想の概要 |
4 | 『成唯識論』について |
5 | 唯識の根本的立場について |
6 | 阿頼耶識についてⅠ |
7 | 阿頼耶識についてⅡ |
8 | 束耶識について |
9 | 意識と前五識について |
10 | 心所有法についてⅠ |
11 | 心所有法についてⅡ |
12 | 一切唯識の論理Ⅰ |
13 | 一切唯識の論理Ⅱ |
14 | まとめ(前期分) |
15 | 予備日 |
16 | 生死輪廻と一切唯識 |
17 | 唯識の証明についてⅠ |
18 | 唯識の証明についてⅡ |
19 | 三性説についてⅠ |
20 | 三性説についてⅡ |
21 | 三無性説について |
22 | 唯識の修道論Ⅰ(資糧位) |
23 | 唯識の修道論Ⅱ(加行位) |
24 | 唯識の修道論Ⅲ(通達位) |
25 | 唯識の修道論Ⅳ(修習位) |
26 | 涅槃と智慧について |
27 | 仏身・仏土論について |
28 | まとめ(後期分) |
29 | 唯識と現代(全体のまとめ) |
30 | 予備日 |
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By:上智大学学事部学務課
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