2005年度上智大学シラバス

◆地学概説 - (通)
中井 睦美
○科目サブタイトル
地球惑星科学と地球環境科学
○講義概要
この授業は,教養としての地球科学の講議であり,理科教員希望者,博物館学芸員希望者が参加することを念頭においてカリキュラムを構成している.前期は主として固体地球惑星科学について,後期は地球環境科学および自然災害についての講議をおこなう.毎回小レポートを提出してもらい,その内容で評価する.演習的な作業なども,小レポートとして行う.試験や最終レポートは行わない.高校地学を選択していないことを前提としているが,内容は高校地学とは異なる.複合グラフなども用い,総合的歴史的な地球科学の思考方法を身に着けてもらうことを授業の目標としている.複雑な計算はさけるので,文系の学生にも履修可能である.
○評価方法
出席状況(20%)、授業参画(30%)、小テスト等(50%)
小テストは授業中に行います。遅刻をしないよう努力すること。
○参考書
丸山茂徳 磯崎行雄『岩波新書 生命と地球の歴史』岩波書店
上田誠也『岩波新書 新しい地球観』岩波書店
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1前期
宇宙における地球惑星(ハッブル望遠鏡の見た宇宙 宇宙の中の地球 ビデオ併用)
2地球惑星の科学史(エラトステネスの測地法 ケプラーの法則 万有引力の法則など)
3太陽系の進化と地球惑星の誕生(原始太陽系から原始固体地球)
4固体地球惑星の概要(固体地球の内部構造 岩石)
5隕石の語る地球惑星の進化(隕石の分類と火星生命の可能性)
6地球の誕生と海・生命の誕生(ビデオを併用)
7地球年代学(放射年代の求め方 同位体地質学の紹介)
8地球中心核の形成と地球磁場の歴史(古地磁気 古地球磁場)
9大陸の進化と生命の進化、大量絶滅
10大陸移動(ウェゲナーの求めた方法で超大陸を作る)
11海洋底拡大(海洋底拡大のスピードを求める)
12プレートテクトニクス
13プリュームテクトニクスとホットスポット
14後期
地球の多重バリアー(気圏の構造 オゾン層 地球磁場)
15太陽活動と地球のエネルギー収支
16気象現象とエネルギーバランス(気象を左右するエネルギー変化)
17深層海流の影響(ビデオを併用 氷期 ヤンガードライアス)
18過去の気候変動と固体地球の変動(ミランコビッチサイクル)
19暖化と都市気候(ビデオ併用)
20日本の水,土砂災害の重要点(台風 酸性雨 地下水汚染 水害 土砂災害)
21火山地震国としての日本列島(島弧の特徴)
22火山岩の岩質と火山噴火の特徴(ビデオ併用)
23マグマの変化(相平衡図を読む)
24地震の要因、震源を求める
25地震津波被害予知(過去の災害に学ぶ 場合によってはビデオ併用)
26自然災害に強いマイホームの探し方

  

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