2005年度上智大学シラバス

◆動物の多様性-分子進化学入門 - (後)
井内 一郎
○講義概要
動物の系統は個体発生に基本的な遺伝子の相同性と多様化として理解される。現在、ヒトを含めた多くの動物の全遺伝子構造が明らかにされようとしている。動物の歴史的連続性は、それらの遺伝子構造の比較から理解できるようになるであろう。講義では、動物の多様性を生じる遺伝子の進化を解説する。なお、分子進化学が現在進行中の学問領域であるという意味で、この講義は試行的である。高等学校等で生物学を受講している必要はない。
○評価方法
講義の進行に即して、出席、レポート、テスト等の方法で評価する。
○テキスト
教科書は使用しない。適宜、資料を配布する。
○必要な外国語
 ナシ
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1I.はじめに:動物の多様性進化
2II.動物の多様性進化に基本的な遺伝子
  1.ショウジョウバエの形態形成遺伝子
3  2.形態形成遺伝子のショウジョウバエと脊椎動物との相同性
    1)背腹軸形成: dpp/sog------BMP-4/Chordin
4    2)体節の個性に関わる遺伝子: homeobox遺伝子 (Hox)
5  3.異時性遺伝子:ヒトへの進化のひとつの仮説---ネオテニー(Neoteny)
6  4.性決定遺伝子
7  5.動物の行動に関わりのある遺伝子
8III.遺伝子の進化: 遺伝子多様化の要因
  1.遺伝情報の流れ
9  2.分子進化の中立説: 分子時計
10  3.分子系統樹---分子でたどるヒトの進化
11  4.エクソン・シャッフリング (Exon Shuffling)
12  5.遺伝子重複
13  6.染色体レベルでの進化多様性 

[理解度等を考慮して、適宜、授業内容や順序を変更することがある]

  

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