2005年度上智大学シラバス

◆労働と倫理Ⅰ - (後)
喜田 勳
○科目サブタイトル
日本及び欧米社会の労働観の変遷の比較検討
○講義概要
それぞれの民族・国民は、種々の制度・機構・構造からなる社会・国家を創り上げてきた。それらの起源,また過程等も,それぞれの民族・国民の価値観によって生み出されたものであり,それぞれの社会・国家は,それぞれの民族・国民の価値観の現れと言える。
この講義では,特に,社会・国家の経済的構造を構築してきた人間の営み自体(行為・活動・生業・仕事・労働・雇用労働等)に焦点をあて,その営みに対して如何なる価値観=労働観に由来するかを考察する。
考察に際し,日本及び欧米社会の古代・中世・近代・現代の労働に対し,如何なる価値観をもっていたかを比較し,人間本来の労働の意味を解明する。
○評価方法
課題レポートと発表を評価要素とするが,20名程度による演習形式の授業であるので,出席状況及び授業参画も重要な評価要素となる。
○参考書
講義時に指示する。
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1はじめに:1)講義の意義・目的につて
     2)講義の進め方、受講者の課題等について
Ⅰ.日本社会での労働観の変遷
 (1)古代農耕社会での労働観 ― 下記の資料を使用し,解明する
   ・「古事記」(天明天皇の命により太安万侶撰録・712年成立)
   ・「日本書紀」(舎人親王等撰、720年成立)
   ・「延喜式」-律令政治の基本法-
2 (2)中世の宗教改革時代に見る労働観 ― 下記の資料を使用し,解明する
   ・「典座教訓」著者:曹洞宗開祖 道元(1200~1253年)
   ・「五帖御文 第一帖」著者:浄土真宗中興の祖 蓮如(1415~1495年)
3 (2)中世の宗教改革時代に見る労働観 ― 下記の資料を使用し,解明する
   ・「典座教訓」著者:曹洞宗開祖 道元(1200~1253年)
   ・「五帖御文 第一帖」著者:浄土真宗中興の祖 蓮如(1415~1495年)
4 (3) 江戸経済成長期を支えた労働観 ― 下記の資料を使用し,解明する
   ・「万民徳用」(鈴木正三・1579~1655年)
   ・「都鄙問答(といもんどう)」(石田梅岩・1685~1739年)
   ・「二宮翁夜話」(二宮尊徳・1787~1859年)
5 (3) 江戸経済成長期を支えた労働観 ― 下記の資料を使用し,解明する
   ・「万民徳用」(鈴木正三・1579~1655年)
   ・「都鄙問答(といもんどう)」(石田梅岩・1685~1739年)
   ・「二宮翁夜話」(二宮尊徳・1787~1859年)
6Ⅱ.欧米社会での労働観の変
(1) 古代ギリシャの農耕社会及びギリシャの都市国家に窺える労働観
     下記の資料を使用し,解明する
・「仕事と日々」(Hesiodos・BC 8)
・「国家」(Plato ・BC 427~347年)
7(1) 古代ギリシャの農耕社会及びギリシャの都市国家に窺える労働観
     下記の資料を使用し,解明する
   ・「仕事と日々」(Hesiodos・BC 8)
   ・「国家」(Plato ・BC 427~347年)
8 (2) 中世宗教改革時代にみられる労働観 ―下記の資料を使用し,解明する
   ・「聖ベネディクトゥス会則」(Benedictus ・480~543年)
   ・「キリスト者の自由、善行論」(Martin Luther ・1483~1546年)
   ・「キリスト教綱要」(Jean Calvin・1509~1564年)
9 (2) 中世宗教改革時代にみられる労働観 ―下記の資料を使用し,解明する
   ・「聖ベネディクトゥス会則」(Benedictus ・480~543年)
   ・「キリスト者の自由、善行論」(Martin Luther ・1483~1546年)
   ・「キリスト教綱要」(Jean Calvin・1509~1564年)
10 (3)ヨーロッパ資本主義初期に見られる労働観
    下記の資料を使用し,解明する
   ・「富国論」(Adam Smith・1723~1790年)
   ・「経済学・哲学草稿、資本論」(Karl Marx ・1818~1883年)
11Ⅲ.受講者による発表 ― 日本社会での労働観の変遷
 (4) 第二次大戦後の経済成長を推進させた労働観
12  受講者による発表 ― 欧米社会での労働観の変遷
 (4)米国の資本主義確立・最盛期に見られる労働観
13まとめ
 (1)日本及び欧米社会での「人間観・労働観」-変遷とその比較
 (2)人間の本来性・本来的労働

  

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