2005年度上智大学シラバス

◆環境倫理 - (前)
鬼頭 秀一
○科目サブタイトル
所有論から構成する環境倫理学
○講義概要
人間と自然との関係性のあり方において、「所有」をめぐる諸問題が多く存在している。景観論、コモンズ論等々、さまざまな社会理論の中で議論が行われている。「所有」と「使用とかかわり」、「処分」という重層的な構造の中で、人間と自然との関係における社会的な構造のあり方、人間存在のあり方が問われている。その辺りを論じながら環境倫理学における所有論的アプローチについての可能性を展望したい。
○評価方法
授業参画(10%)、リアクションペーパー(40%)、レポート(50%)
○テキスト
鬼頭秀一『自然保護を問いなおす――環境倫理とネットワーク』 筑摩書房・1996
桑子敏雄『環境哲学』 講談社・2001
鬼頭秀一(編)『環境の豊かさを求めて──理念と運動 (講座『人間と環境』)』 昭和堂・2000
○参考書
自然の権利セミナー報告書作成委員会『報告 日本における「自然の権利」運動 第2集』山洋社・2004
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1環境倫理学の構成
2環境倫理学の歴史的概観
3環境倫理学と所有論
4ハーディンの『コモンズの悲劇』をめぐって
5コモンズ論の展開と環境倫理学
6「景観」という問題と環境哲学
7「自然の権利」運動と近代的所有権
8開発と保護をめぐる環境問題と環境倫理学
9所有論の原理論と環境倫理学
10環境倫理学における所有論的アプローチの可能性

  

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