2005年度上智大学シラバス

◆環境マネージメント - (前)
森下 研
○科目サブタイトル
環境経営と環境マネジメント
○講義概要
 環境マネジメントを環境経営の一環として捉え、その必要性を社会・経済的側面、環境的側面からそれぞれ明らかにするとともに、狭義、広義の環境マネジメントについて、その内容を歴史的経緯も含めて概観する。
 その上で国際規格ISO14001の詳細について、企業、自治体の事例研究を踏まえて、その内容、導入・構築・運用方法、効果を解説する。さらに、近年登場した環境省のエコアクション21認証・登録制度、地域独自の環境マネジメントの認証制度、特定の業種の環境マネジメントの認証制度等についても紹介する。
 最後にこれまでの講義を踏まえて院生とともに、今後の課題について双方向で討議する。
 企業や自治体の組織において、環境マネジメントに取り組む際ことを念頭に、理論から実務までを幅広く講義する。
なお、ISO14001規格が改定されたばかりであるため、参考文献等については講義の中で別途指示する。
○評価方法
出席状況、授業参画、レポート、前期学期末試験(定期試験期間中)
原則として事例研究を行ってもらい、その成果をレポートとして提出いただくとともに、発表してもらう。この内容及び期末試験により評価を行う。
別講座である「環境会計」とともに受講することが望ましい。
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1①環境マネジメントの意義、必要性-環境問題の現状を概括的に解説した後、企業経営と環境対応をどのように両立させていくか、その際に環境マネジメントをどのように活用していけばよいのか等について解説する。併せて環境効率指標等、企業評価の状況についても解説する。
2②環境管理と環境マネジメント-品質マネジメント、情報セキュリティマネジメント等の他のマネジメントシステムとの比較も含めて、環境マネジメントの基本となる考え方を解説する。
3③環境経営のツール-環境経営のツールである環境会計、環境パフォーマンス指標評価、環境報告書、エコラベル、LCA等について概括的に解説する。
4④ISO14001-審査登録制度の枠組み、ISO14000シリーズの他のガイドラインも含めて解説する。
5⑤環境マネジメントシステム(ISO14001)の1-PLAN 規格の詳細を解説する。
6⑥環境マネジメントシステム(ISO14001)の2-DO、CHECK、ACTION 規格の詳細を解説する
7⑦エコアクション21(環境活動評価プログラム)-環境省が策定したガイドラインの内容と、これに基づき2004年10月から開始された制度について解説する。
8⑧地域のEMS認証制度-京都市、仙台市、飯田市等で実施されている制度について解説する。
9⑨業種別の認証制度-運輸事業者、産業廃棄物関係事業者、地方自治体をそれぞれ対象とした制度について解説する。
10⑩事例研究-製造業における環境マネジメント 学生による事例研究及び発表を予定する。
11⑪事例研究-サービス業における環境マネジメント 学生による事例研究及び発表を予定する。
12⑫事例研究-自治体における環境マネジメント 学生による事例研究及び発表を予定する。
13⑬まとめ-環境マネジメントの課題と展望 学生諸君と、これまでの講義内容及び事例研究結果を踏まえ、環境マネジメントシステムは、企業経営にとって有効なツールとなり得るか、また、課題は何か等についてディスカッションしたい。

  

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