2005年度上智大学シラバス

◆物理汎論A - (前)
伊藤 耕三
○科目サブタイトル
ソフトマター物理・化学の新展開
○講義概要
高分子、液晶、生体分子などの有機分子はソフトマテリアルと呼ばれ、外部環境の変化に応じて集合し多彩な高次構造(超分子構造)を自発的に形成する点に特徴がある.超分子構造の中には、ミセルや生体膜のラメラ(積層)構造のような比較的単純なものから、チューブやらせんまたはテトラポッドのような複雑な形態の高次構造、さらには生体組織のようなより複雑で階層的な構造まで様々なものが存在する.しかもその構造全体が空間的にも時間的にも大きく揺らいでいるため、わずかな刺激により多様な構造相転移あるいは物性の劇的変化が引き起こされる.本講義では、特にソフトマテリアルの研究の中から、環状分子と高分子を用いた複合系と電気的緩和測定法に焦点を当てて解説する.
○評価方法
出席状況(70%)、レポート(30%)
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
11.ソフトマテリアル入門
(1) ソフトマテリアルとは
(2) ソフトマテリアル研究の新展開
2.電気的緩和スペクトロスコピー
(1) 緩和スペクトロスコピー入門
(2) 誘電緩和
(3) 電気複屈折緩和
(4) 非定常電場下での準弾性光散乱
3.環状分子を用いた高分子のナノ構造制御
(1) 環状分子と高分子の包接転移現象
(2) 環状分子と高分子の包接ダイナミックス
(3) トポロジ

  

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