2005年度上智大学シラバス

◆言語学特殊講義C-1(ロマンス語研究) - (前)
小川 定義
○講義概要
俗ラテン語に遡るロマンス語の共通点と違いを概観する。仏語,伊語,西語,葡語などのロマンス語は語彙などに共通する部分もあるが,文の構成法はそれぞれの特徴が見られる。俗ラテン語から主要なロマンス語への分化で起こった音韻・形態変化を簡単に辿った後,代名詞主語,目的語代名詞,主語倒置文などのトピックに焦点を当て,言語一般の統語的な共通 基盤とロマンス語が示す統語的形態的な特徴を比較統語論の立場で考える。ディスカッションも含め,各自が専門とする言語を他のロマンス語から,またその他の系統言語との対照により深める。
○評価方法
出席状況(50%)、レポート(50%)
○テキスト
『指定せず』
○参考書
Joseph Hermann『俗ラテン語』Hakusuisya 1971
Shigeru Shimaoka『ロマンス語比較文法』Daigakushorin 1985
M.Harris and N.Vincent (eds.)『The Romance Languages』Routledge 1997
○必要な外国語
English
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1ロマンス語のいろいろ
2ラテン語の特徴(音声、形態、統語)
3俗ラテン語とは
4ロマンス語でおこった音声変化(母音)
5ロマンス語で起こった音声変化(子音)
6歴史比較文法
7原則とパラメタのアプローチ
8言語機能と言語モデュラー性
9言語の計算システム(併合、転移、一致)
10言語変化についてのアプローチ
11言語変化と言語獲得の関係
12言語データ利用の仕方
13代名詞主語脱落パラメタ
14補足とまとめ

  

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