2005年度上智大学シラバス

◆漢文学特殊講義Ⅰ・演習 - (通)
大島晃
○講義概要
書簡は自分の意志を伝えるためのものであり、言語の記録であるとともに、己の情意を相手に達するために、達意が重んじられた。同時に筆者の風格を反映したものとして、後世にまで影響が及ぶ。書簡の文章が文学の対象となり、その筆跡がときには芸術の対象となる所以である。書簡の目的はさまざまであり、公用文を始め実用的性格の濃いものから、平生の議論を展開したり、意見の往復を行うものもある。また挫折し窮った者の書簡は自らの来し方を述懐し、真情を吐露するのに最も個性が表出される。
ここでは、漢代から宋代までの個性あふれる書簡を選び、それぞれの文章の特色を味読するとともに、作者の生き方、思想や文学に及んでみたい。
○評価方法
授業の取組み等、総合的に評価する。
○テキスト
複写資料を用いるが、授業の中で指示する。
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1概説:中国の書簡
2読解したい主な書簡(予定)
○司馬遷 報任少卿書
3○李陵 答蘇武書
4○曹植 与楊徳祖書
5○孔徳章 北山移文
6○李白 与韓荊州書
7○韓愈 上張僕射書
8○柳宗元 与韓愈論史官書
9○白居易 与微之書
10○欧陽修 答呉充秀才書
11○蘇軾 答謝民師書
12○王安石 上仁宗皇帝万言書

  

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