2005年度上智大学シラバス

◆仏教思想 - (通)
竹村牧男
○科目サブタイトル
『成唯識論』を読む
○講義概要
大乗仏教の哲学思想の重要な1つの流れに、瑜伽行派の唯識思想がある。それは、あらゆる実体的存在を否定していく現代哲学とも十分対話できる。精密な哲学体系を有している。本講では。唯識の代表的な文献である世親の『唯識三十頌』の詳しい注釈書である玄契訳『成唯識論』を読みつつ、その人間観、世界観について理解を深め、またその現代的意義について考える。
○評価方法
出席状況(33%)、前期学期末試験(定期試験期間中)(33%)、後期学期末試験(定期試験期間中)(34%)
○参考書
竹村牧男『インド仏教の歴史―「覚り」と「空」』講談社学術文庫 2004年
竹村牧男『知の体系―迷いを超える唯識のメカニズム』佼成出版社 1996年
竹村牧男『唯識の探求―『唯識三十頌』を読む』春秋社 1992年
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1導入Ⅰ 仏教史の中の唯識の位置
2導入Ⅱ 瑜伽行派の歴史
3導入Ⅲ 唯識思想の概要
4『成唯識論』について
5唯識の根本的立場について
6阿頼耶識についてⅠ
7阿頼耶識についてⅡ
8束耶識について
9意識と前五識について
10心所有法についてⅠ
11心所有法についてⅡ
12一切唯識の論理Ⅰ
13一切唯識の論理Ⅱ
14まとめ(前期分)
15予備日
16生死輪廻と一切唯識
17唯識の証明についてⅠ
18唯識の証明についてⅡ
19三性説についてⅠ
20三性説についてⅡ
21三無性説について
22唯識の修道論Ⅰ(資糧位)
23唯識の修道論Ⅱ(加行位)
24唯識の修道論Ⅲ(通達位)
25唯識の修道論Ⅳ(修習位)
26涅槃と智慧について
27仏身・仏土論について
28まとめ(後期分)
29唯識と現代(全体のまとめ)
30予備日

  

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