第3回 輝くソフィアンインタビュー 平田やす子さん

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平田やす子さん 横浜YMCA講師 1978年卒業(短大・英語科)

2011.04.20

世界一周旅行、マザー・グース、スピーチコンテスト… 上智短大で過ごした濃密な2年間が、今の私の源平田やす子さん 横浜YMCA講師(上智短期大学 英語科 1978年卒業)

平田やす子さん 横浜YMCA講師 1978年卒業(短大・英語科)

平田やす子さん
英語が好きな私の、27年越しの夢
横浜YMCAの小学英語講師として飛び回っています。

私は6年前ほど前から横浜YMCAの小学英語の講師をしています。月曜日から土曜日までたくさんのクラスをいただいており、戸塚、藤沢、金沢八景の教室を忙しく飛び回っているところです。最初にこの仕事のお話をいただいたときは、英語を話す環境から遠ざかったので不安もありました。でも、私が考案した歌やダンスを通じて英語を教える授業が人気を集め、英語だけではなく歌の教室も任せていただくことに。あれよあれよという間に仕事が広がり、今年度からは横浜YMCAの小学英語全体に関わるコーディネーターを担当することになりました。今の仕事はまさに、上智短大時代から一番やりたかったことですね。

ただし、ここまでの道のりはとても長かった。上智短大を卒業後JALに入社し、グランドアテンダントとして3年間勤務後、結婚と出産を機に退職しました。1年だけ語学専門学校で教鞭を取りましたが、しばらく家事に専念することに。その後、やむを得ない事情で母が経営する印刷会社を手伝うことになり、13年間会社を切り盛りしました。会社をたたんだ後は、知人の紹介で入った会社でインターネット回線を販売。ところが、今度はその会社がトラブルに見舞われ、営業できなくなくなってしまったのです。「困ったな」と思っていたとき舞い込んできたのが横浜YMCAの仕事。アメリカ人の知り合いが「あなたは英語が話せるから」と紹介してくれたのです。真剣に生きていれば不思議と救いの手が現れるものですね。あきらめず勉強を続けていて良かったと思いました。

世界一周旅行と英語教育の原点マザー・グース
今も私に影響を与え続ける、上智短期大学での経験。

上智短期大学の2年間で一番思い出深いのは、語学研修の一環で行った世界一周旅行です。アメリカ・ヨーロッパ・アジアを40日近くかけて周遊したのですが、なかでも忘れられないのは、アメリカ・グランドキャニオン。あまりにも壮大な景色を見て、「小さなことで悩むのはバカバカしい」と人生観を変えられましたね。また、世界には貧困に苦しむ人が大勢いることを目の当たりにし、「困っている人のために何かしなければ」と思うようになりました。そんな想いで始めたのがピーナッツクラブの活動。乳児院、特別養護老人ホームなどでボランティアをしていたのですが、嬉しいことにその活動の輪は広がり、今も家庭教師ボランティアとして存続しています。

現在は退官された竹之内先生の講義も、私の人生に大きな影響を与えていますね。伝承童謡マザー・グースは英語を母国語とする人の原点とも言えるもの。そこには英語のリズムや発音、生活観など様々な要素が詰め込まれているのです。学生時代は気づかなかったのですが、マザー・グースの一節がPOPSの歌詞に使われていたり、ドラマや映画のセリフに使われていたりしています。それほど英語を母国語とする人の体に染み込んでいる大切なものを、竹之内先生は教えてくださいました。在学中にECCの英語スピーチコンテストで3位を受賞できたのも、横浜YMCAの仕事を得ることができたのも、英語教育の原点を上智短期大学で学ばせてもらえたからだと思っています。

平田やす子さん
目の前にある「やるべきこと」と
真剣に向き合ってほしい
いくつになっても花は開くのだから。

上智を卒業後、好きな仕事に巡り合えていない人、学生時代の夢をあきらめかけている人も少なくないかもしれません。私も英語が好きで、英語に関わる仕事をしたいと思っていたけれど、長い間その機会に恵まれませんでした。でも、理想の仕事に就けない間、目の前のことに真剣に取り組んだ経験は、自分の糧になっていると思うのです。例えば、今と全く畑違いの印刷会社の仕事であっても、簿記3級を取得し、経理について学ぶ機会になりました。あきらめずに英語の勉強を続けていたことも、今の仕事に繋がっていると思います。目の前にある「やるべきこと」と真剣に向き合い、長い時間がかかった分、今が楽しいし、恵まれていると思えるのではないでしょうか。

夢をかなえた人にも、また次の夢を持ってもらいたい。私の次の夢は、アメリカに留学し歌のトレーニングを積んだあと、アポロシアターのアマチュアナイトのステージに立つこと。平井堅さんや清水翔太がデビューの足掛かりにしたステージです。私はたとえブーイングを受けることになろうと、そこに立ちたい。そして帰国後、歌手としてデビューをしたいのです。私は、素敵な人と出会ったとき、ノートに記録しているのですが、それを始めてから出会いに恵まれるようになりました。それと同じで、自分の夢を口に出して人に伝えたり、ノートに書いたりすることが、夢を手繰り寄せるきっかけになるかもしれません。いくつになっても花は開くものだと思います。卒業生の皆さまとも是非、夢を語り合ってみたいですね。

平田やす子さん プロフィール

1978年(昭和53年)上智短期大学 英語科 卒業
航空会社、専門学校講師、印刷会社、通信代理店を経て、現在、横浜YMCAの英語講師。
その他、上智短期大学同窓会役員、上智短期大学同窓会寄付講座キャリアプランニング講師も務める。


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