2006年度上智大学シラバス

2006/08/21更新
◆複素函数論 - (後)
平田 均
○講義概要
一変数の複素関数について、その性質を学ぶ。複素関数の微分の定義は、微分積分学で学んだ実関数での定義と見かけ上は同じであるが、実際には複素微分可能という条件は、実微分可能性よりはるかに強い。その事実から解析関数に関する一連の重要な性質が導かれる。
○評価方法
中間試験、学期末試験、レポート、リアクションペーパーを元に評価をする。
○テキスト
「解析入門」 第5巻 (松坂 和夫 著 岩波書店) をテキストとして用いる。
○参考書
複素解析に関しては多くの参考書や演習書が出ており、数学科図書室にも配架されているので、各自が目を通して自分に合ったものを選んで欲しい。
「解析概論」(髙木 貞治 著、岩波書店)は、第五章を複素解析に当てており、基本的な事項を知るのは十分の内容である。
一方、より深く複素解析について学びたい学生には、かなりの大部であるが、「複素解析」(アルフォース 著、現代数学社)を薦めたい。
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1複素数と複素平面、複素平面上の図形。
2複素平面とRiemann球面。
3解析関数、多項式、有理関数の零点と極。
4整級数で表される関数。
5Cauchy-Riemannの方程式。
6等角写像と一次分数変換。
7複素平面上の曲線と線積分。
8微分形式、Cauchyの定理。
9Cauchyの積分公式とその応用。
10Taylor展開と特異点。
11留数定理と実積分の計算への応用。
12一様収束関数列とWeierstrassの定理。
13解析関数のTaylor展開。
14Laurent級数とLaurent展開。
15無限積、絶対収束。
16その他の話題。

  

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