2006年度上智大学シラバス

2005/12/21更新
◆企業内教育論 - (後)
尾原 重男
○講義概要
企業にとって人材育成の重要性がますます高まっています。これからの企業内教育は一方的に教える形ではなく、企業倫理や企業理念といった企業活動の基本を理解した上で従業員自身が自ら考え学び行動することが重視されます。この授業では、企業の環境や企業が直面する問題を学んだ上で、状況や立場に応じた社員の学習機会や学習の場をどのように作り出すか、そこで社員に何を習得させるかといった問題を具体的な場面を想定しながら考えて欲しいと思います。
 授業を終えた段階で、学生諸君が企業を理解し、企業における多様な人材育成の場を企画できるようになることを期待します。
○評価方法
出席状況(10%)、授業参画(10%)、レポート(30%)、後期学期末試験(授業期間中)(50%)
上記のように、授業への出席と参画、レポート提出、後期末試験の要素をもとに成績評価を行う。
○テキスト
まとまったテキストは使用しない。授業毎にレジュメを作成し、必要に応じて経団連等の公表資料や複数の参考資料、参考書を使用しながら授業を進める。
○参考書
 授業の理解促進、レポート作成、自ら考えるための素材紹介といった目的で、以下のような参考資料、参考書を推薦しその一部を授業でも取り上げることとしたい。授業の進行に応じて新らしい参考書を推薦することもある。
日本経団連『「企業行動憲章」』日本経団連(ホームページから参照可能) 2004年5月18日改訂
桐村晋次『「人材育成の進め方」〈第3版〉』日本経済新聞社(日経文庫) 2005年6月1日
田中久夫・田島伸浩『「人材育成ガイドブック」』日本経営者団体連盟広報部  1996年1月10日
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1「企業」について
2転機にある日本企業の経営システム
3いま企業で求められる人材育成
4経営管理ツールの規格化と企業内教育
 ISO(品質、環境)、プライバシーマークなどの規格型管理ツールの位置づけと企業内教育の役割、方法論について。
5経営理念と企業内教育
6経営戦略と企業内教育
7企業内教育の事例Ⅰ
 優れた企業の人材育成について。
8企業内教育の事例Ⅱ
 シンクタンクの社内教育システムなど。
9体系的な教育プランの作り方
 企業活動の諸側面にニーズに対応して、外部資源の活用も含めて具体的な教育プランを考える。(レポート作成)
10自己啓発促進の計画
11新しい人事制度と企業内教育
 成果型人事制度の成否は社員全体と評価者への教の巧拙に依存するが、新しい人事制度の考え方とそれに対応した企業内教育のあり方を学ぶ。
12企業内教育プラン作成
 授業計画9の段階で、企業内教育のいくつかのテーマ毎に関するレポートを作成し各自のプランを発表(グループでも可)。
13⑬教育担当部門の役割と行動
 生き方、働き方が多様化する中で企業内教育担当部門の役割を再認識し、 とるべき施策の重要ポイントを整理する。
14(後期末試験)
 複数問題からの選択式とし、選択した問題に対して記述式で回答する。

  

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