2006/02/07更新
○講義概要 |
文化人類学とは、世界各地におけるフィールドワークに基づいて執筆された様々な民族誌における事例を通じて理論化された学問であり、現代社会を切り取る様々な視点を提供する学問である。自文化にとっての「あたりまえ」が異文化にとっての「あたりまえ」とは異なるという、単純だが我々が忘れがちな事実から出発し、様々な文化の持つ普遍性と特殊性に迫る。 文化人類学Ⅰaが初学者のための「地ならし」であったとすれば、本講義は、より具体的で分かりやすいトピックを独自の観点から解説する「種まき」を志向した講義である。人間の「可塑性」(いかようにでもかたちを変えることのできる性質)をキーワードに、文化という現象の持つ奥深さと愚かさの双方を語ってみたい。
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○評価方法 |
リアクションペーパー(20%)、後期学期末試験(定期試験期間中)(80%)
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○参考書 |
浜本満・浜本まり子編『人類学のコモンセンス―文化人類学入門―』学術図書出版社、1994年 山下晋司・船曳健夫編『文化人類学キーワード』有斐閣、1997年 綾部恒雄編『文化人類学最新術語100』弘文堂、2002年
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○授業計画 |
1 | ガイダンス(人間の可塑性をめぐって) |
2 | 人は交わす(1) 人類学的交換論入門 |
3 | 人は交わす(2) クラとポトラッチ(メラネシアとアメリカ北西海岸) |
4 | 人は交わす(3) 交換としての結婚(構造主義的観点から) |
5 | ビデオ上映、解説、リアクションペーパーの執筆 |
6 | 人は分かつ(1) 人類学的分類理論入門 |
7 | 人は分かつ(2) ケガレ論について |
8 | 人は分かつ(3) ジョーク・リテラシーとスティグマ |
9 | ビデオ上映、解説、リアクションペーパーの執筆 |
10 | 人は祀る(1) 人類学的儀礼論入門 |
11 | 人は祀る(2) 儀礼の諸相(現代社会とイニシエーション) |
12 | 人は争う(1) 秩序の名のもとに |
13 | 人は争う(2) 戦争とナショナリズム |
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