2006年度上智大学シラバス

2006/02/06更新
◆マルクス思想の研究Ⅱ - (後)
喜田 勳
○講義概要
マルクス思想の研究Iで解明したマルクスの思想基盤等を踏まえ,マルクスの著書「資本論」第一巻(資本主義体制成立の要件,剰余価値論,資本主義的生産,世界市場と恐慌及び未来社会のヴィジョン等)を取扱うことにより,マルクスは弁証法的歴史観に基づき当時の資本主義体制をいかに分析・解明したかを考察し,二十一世紀への意義を探る。
○評価方法
講義中行う2~3回の小テスト,最終講義に行う試験及び出席日数等を総合する。
○テキスト
講義の中で,適宜紹介する。
○参考書
講義の中で,適宜紹介する。
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1はじめに
(1)「資本論-(副題)経済学批判-」の成立過程
   ・「経済学批判要綱」(1857-1858)
   ・「経済学批判」(1895)
   ・「資本論 第一巻」(1867)
   ・「資本論 第二巻」(1885)
   ・「資本論 第三巻」(1894)
   ・「剰余価値学説史」(1905-1910)
(2) 「資本論」の視点(弁証法的歴史観、人間観、労働観)
2資本主義体制成立の要件
(1)「商品」及び「貨幣」について
(2)資本主義体制成立のための二主要階級の台頭   
(3) 労働力の商品化
3剰余価値論
(1)価値の源泉
   ・剰余価値はどのようにして生産されるか?
(2)価値の構成、
   ・剰余価値率、利潤率、資本の有機的構成等について
    (c+v+m’=w m’=m/v、
     p’=m/c+v、q=c/c+v 等 )
(3)絶対的剰余価値、相対的剰余価値、特別剰余価値について
4資本主義的生産
(1)資本関係の再生産
   ・単純再生産 拡大再生産
(2)資本の本源的蓄積
(3)資本主義的蓄積の歴史的傾向
(4)産業予備軍及び労働者の窮乏化の法則
   ・過剰人口(絶対的・相対的過剰人口)
   ・資本主義発展の不可避的矛盾
(5)利潤率の傾向的低下の法則及びその対抗要因
   ・P’=m/c+v・・・=m’(1-q)
5世界市場と恐慌及び未来社会のヴィジョン
6まとめ マルクス理論への批判と評価


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