2006年度上智大学シラバス

2006/03/05更新
◆神学的人間論 - (後)
光延 一郎
○科目サブタイトル
「恩恵」と「霊性」のかかわり。イグナチオ・ロヨラの『霊操』を焦点として。
○講義概要
神学的人間論の総括部分「恩恵論」を学ぶ。「恩恵」と「霊性」のかかわりからアプローチしたい。恩恵論の発展史を参照しながら、特にカトリック教会の霊性史に大きな影響を及ぼしたイグナチオ・ロヨラの『霊操』をとりあげる。イグナチオ的な祈りになじむとともに、『霊操』が展望している神と人間、キリストの神秘について、文献から理論的に考察する。
○評価方法
出席状況(20%)、授業参画(45%)、レポート(35%)
出席と授業への積極的参画、および期末総括レポート。
○テキスト
イグナチオ・ロヨラ『霊操』 岩波文庫など
Harvey D. Egan "The Spiritual Exercises and the ignatian mystical horizon" The Institute of Jesuit Sources, St. Louise Univ.
○参考書
ペトロ・ネメシェギ『神の恵みの神学』南窓社
福田勤編著『信仰と恩恵』中央出版社
○必要な外国語
最低限の英語
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1オリエンテ-ション
2イーガン第1章:イグナチオ的な神秘地平とは?
3現代の恩恵論の様々な流れ
4イーガン第2章:イグナチオ的な神秘地平の焦点としての「原因なしの慰め」
5聖書と恩恵概念
6イーガン第3章:『霊操』とイグナチオ的な神秘地平における「人間論的」契機
7教父と東方教会の恩恵理解
8イーガン第4章:『霊操』とイグナチオ的な神秘地平における「キリスト論的」契機
9西方中世の恩恵理解
10イーガン第5章:『霊操』とイグナチオ的な神秘地平における「神秘論的」契機
11宗教改革と義認(義化)
12イーガン第6章:イグナチオ的な神秘地平としての「三つの選定の時期」
13トリエント公会議と近代の恩恵問題
14まとめ

  

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