2005年度上智大学シラバス

◆外国法 - (後)
岩田太
○講義概要
英米法の特徴である陪審制度,判例法主義,法の多元性,信託法,連邦制度などを中心に解説し,そ の法文化的背景を含めた法制度の全体像を学ぶこ とを主眼とする.
・憲法(基本的人権,統治機構),民法(総則,債権総論・各論)など基本科目の履修を前提として講義を進める.
・授業の予定を含め連絡事項などは、基本的にホームページ上に掲載し、ダウンロード可能な状態にするので、随時参照してください.
○評価方法
授業参画(10%)、レポート(10%)、後期学期末試験(定期試験期間中)(80%)
定期試験は,場合によっては授業期間中に行われる可能性あり.
○テキスト
伊藤正巳,木下毅『『アメリカ法入門』 (第3版)』 日本評論社
田中英夫編集代表『『Basic英米法辞典』』 (東大出版会 1993)(2800円).
『別冊 ジュリスト『英米判例百選』(第3版 )』 (有斐閣 1996)(2600円).
○参考書
田中英夫『英米法総論 上・下』(東大出版会 1986,1987)(各3500円).
田中英夫編集代表『英米法辞典』 (東大出版会 1991)(15000円) .
田中英夫・竹内昭夫『法の実現における私人の役割』(東大出版会 1987)(2800円).
○必要な外国語
英語
○他学部・他学科生の受講

○ホームページURL
http://pweb.sophia.ac.jp/~iwata-f/
○授業計画
1(10/04/05(T))
1 序(外国法を学ぶ意義、その際に必要な姿勢などについて概略する)
(1)英米法とは何か;(2)なぜ英米法を学ぶのか:比較法,外国法研究の意義;(3)英米法の特徴;(4)イギリス法とアメリカ法;(5)英米法の調べ方(判例集、法令集、オンラインデータベースの利用方法);(6)一応の目標
2(10/11/05(T))
2-4 判例法主義(英米における法の基本的形式である判例法について、合衆国最高裁判所の判例に実際にあたりながら、判例法主義のあり様を学ぶ)
(1)第1次的法源としての判例法;(2)先例拘束性の原理
3(10/18/05(T))
2-4 判例法主義
2)先例拘束性の原理;(3)先例拘束性の原理の変容:(4)帰納的思考方法
4(10/25/05(T))
2-4 判例法主義
(3)先例拘束性の原理の変容:(4)帰納的思考方法
5(11/08/05(T))
5-6 陪審制度(英米法の最大の特徴の1つである陪審制度について、実際の陪審の評議を映したビデオ教材などを利用しつつ、その制度的特徴および社会的な意義を学ぶ)
(1)陪審制度の起源および歴史
6(11/15/05(T))
5-6 陪審制度
(2)陪審の制度的枠組み;(3)陪審制の長所・短所;(4)陪審制度から見える英米法の特徴
7(11/22/05(T))
7-8 訴訟手続の特徴(英米の訴訟の特徴を日本法との対比で学ぶ)
(1)当事者主義構造:直接主義,口頭主義
8(11/29/05(T))
7-8 訴訟手続の特徴
(2)争点の明確化(準備)の重要性;(3) 証拠法の発展;(4)裁判官による陪審評決のコントロール:説示と事前後の審査;(5)上訴
9(12/06/05(T))
9-10 英米法の歴史:コモン・ローとエクイティ(英米法の1つの特徴として、法の多元性、歴史的継続性があげられる。多元的な法の中でも中心に位置するコモン・ローとエクイティについて、その歴史的な生成過程にも目を向けながら学ぶ)
(1)歴史的継続性:法典化の不存在,各論的思考;(2)法の多元性
10(12/13/05(T))
9-10 英米法の歴史:コモン・ローとエクイティ
(3)コモン・ロー;(4)エクイティ
11(12/20/05(T))
11-13 私人による法の実現(英米法に特徴的な考え方として、一般市民にとって法を使いやすくしておくことによって、法の利用を促進し、そこから法の目的を実現していこうという発想がみられる。そのような考え方の意義を学ぶ)
(1)法へのアクセスの拡大
12(01/10/06(T))
11-13 私人による法の実現
(2)損害賠償の多様性: 懲罰的賠償を中心に
13(01/17/06(T))
11-13 私人による法の実現
(3)日本法への示唆
まとめ:英米法とは何か,質問など

  

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