2005年度上智大学シラバス

◆国際保健学特講 - (後)
高原亮治
○講義概要
将来国際保健関係の仕事(実務または研究)に興味があるという院生を対象。国際保健に関係する職場としては国連、WHO,UNICEF、IBRD(世界銀行)、ADBなどの国際機関、JICAなどの日本の政府関係機関。そのほか数多くのNGOなどがある。いずれの機関も良質の日本人の国際協力のプロをもとめている。このコースではそういった職場に必要な基礎的な理論を学ぶとともに、受講生の希望に応じて国際機関やJICAの上級職員、元職員の講義をきくチャンスをもちたい。ちなみに国際協力の現場においても、医師や看護師といった保健医療職種だけではなく、managerやcordinatorなどいわゆる文科系出身者にも広く道はひらかれている。なお8週以降については順序を入れ替えることがある。
○評価方法
授業参画(50%)
レポートは3回提出のこと。第1回の授業時に国際保健と自分のキャリアプランについてA4、1枚程度のレポートを提出のこと。授業になにを
期待するかも述べてほしい。
○テキスト
西垣、辻、下村『開発援助の経済学 第3版』 有斐閣 2003
新福尚隆『国際共生と健康』 放送大学教育振興会
○参考書
中村安秀『国際保健医療のお仕事』南山堂 2003
黒崎卓ら『開発経済学』日本評論社 2003
リ シャール『問題はグローバル化ではないのだよ、愚か者』草思社 2003
○必要な外国語
英語
○他学部・他学科生の受講

○ホームページURL
www.dr-takahara.info 工事中
○授業計画
1クラス討議 -
受講者の問題意識、キャリアプランを話し合い教員の意識との”すりあわせ”をおこないます。保健医療協力の分野や現場について紹介します。
2国際関係と国際協力
国際協力は国際関係のひとつのありかたです。したがって国際関係論をふまえなければ、現実論としての協力論は考えられません。
3開発経済論
保健医療の分野の協力も広義の経済協力です。保健医療を規定する要因しての経済、保健医療が経済に及ぼす影響を議論します。
4Basic Human Needs論、適正技術論、根幹技術論
保健医療領域の協力はBHNとか人道的援助といって特別扱いされる傾向があります。何が特別で何が特別でないか議論します。経済社会の発展段階に応じた適正技術は存在するか根幹技術との関係で議論します。
5栄養
健康状態に及ぼす栄養の問題は重要です。栄養研究。栄養教育。食文化。食糧生産。食中毒。食品衛生。農薬。添加物。
6水と廃棄物
人の社会は水を必須要件とします。また途上国でも廃棄物は大きな健康問題です。我が国の歴史も参照しながら水と廃棄物の健康に及ぼす影響を議論します。伏流水と表流水、井戸と水道、水質、水系伝染病、屎尿処理
7母子保健
女性の地位と乳児死亡、女性の識字率、女性の経済力とvillage industry, 母子手帳、ナチスと母子保健
8マラリア、寄生虫、感染症
感染症、寿命、経済。感染症成立の三要因。予防接種。vector control
9日本の保健医療協力ーBilateral Type
ODAの制度、無償資金協力、有償資金協力、技術協力、プロゼクトタイプ技術協力。専門家派遣、JICA、国際医療センター
10保健医療協力の現場ー外来講師、TBA
11保健医療協力に関する国際機関
WHO,UNICEF、UNHCR、OECD、IBRD、ADB
12国際協力の実務
プロファイ。プロポーザル。優先順位。経済評価(CBA、CEA、CUA、IRR)社会評価とEquity
13国際保健のキャリア
募集状況。選考基準と必要な能力、資格。外来講師ーTBA

  

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