2005年度上智大学シラバス

◆近世特研 - (通)
川村信三
○講義概要
本ゼミは史学研究者としての自立を支援することを目的とする。
モデルは、アメリカ合衆国博士課程において最終試験(Final Exam)を準備する学位候補者が体系的な知識を得るために履修を義務づけられるReading Seminerにある。膨大な量の著作・研究論文を読破することによって、自分の専門とする期間と分野の歴史事項に精通することを目指す。参加者は、毎週一冊以上(論文数編)の予習が課せられる。
通年科目であるため、前期と後期に大別し、二つの課題を完成する。
[前期]
将来教職・研究職に就くことを念頭にいれ、織豊期から近世にかけての「概説講義」を組み立てる能力を磨く。そのために研究論文を徹底して読み、諸学説に精通することからはじめる。前期末に、テーマにそった諸学説の要約論文の提出を義務づける。
[後期]
特定のテーマ(本年度は「東アジアにおける日本史の位置づけ」)についての基本文献のいくつかを共に読みすすめながら、同時に、テーマにそって各自が選定した題目に基づく学年末アカデミック・ペーパーを完成させる。
ペーパー提出まえに、参加者同士の批評会を実施する。
○評価方法
出席状況、授業参画
前期 論文・学説要約 A4紙(40字×30行/一頁)20枚以上
後期 アカデミック・ペーパー A4紙(40字×30行/一頁)30枚以上
○テキスト
藤野保編『論集幕藩体制史 第一巻 織豊政権の成立』 雄山閣 1994年
藤野保編『論集幕藩体制史 第二巻 幕藩体制論・国家論』 雄山閣
藤野保編『論集幕藩体制史 第三巻 江戸幕府の構造』 雄山閣
○参考書
藤野保編『論集幕藩体制史 第八巻 対外関係と鎖国』雄山閣
藤野保編『論集幕藩体制史 第九巻 近世社会と宗教』雄山閣
アレッサンドロ・ヴァリニャーノ『東インド巡察記』平凡社(東洋文庫) 2004年
○必要な外国語
英語
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1導入 アメリカ博士課程(Ph.D)式「詰め込み教育」の効用-研究者はこのようにしてつくられる-
2織豊政権論(1)RA(Reading Assignment)に基づくディスカッション
3織豊政権論(2)RAに基づくディスカッション
4織豊政権論(3)RAに基づくディスカッション
5幕藩体制と国家論(1)RAに基づくディスカッション
6幕藩体制と国家論(2)RAに基づくディスカッション
7幕藩体制と国家論(3)RAに基づくディスカッション
8江戸幕府論(1)RAに基づくディスカッション
9江戸幕府論(2)RAに基づくディスカッション
10近世対外関係と鎖国(1)RAに基づくディスカッション
11近世対外関係と鎖国(2)RAに基づくディスカッション
12近世社会と宗教(1)RAに基づくディスカッション
13近世社会と宗教(2)RAに基づくディスカッション
14[後期]東アジアの中の日本史 導入
15RA 古田博司『東アジア・イデオロギーを越えて』に基づくディスカッション
16RA 張玉祥『織豊政権と東アジア』に基づくディスカッション
17RA 網野善彦『日本社会の歴史』第一・二巻に基づくディスカッション
18RA 網野善彦『日本社会の歴史』第二・三巻に基づくディスカッション
19RA 藤田雄二 『アジアにおける文明の対抗』に基づくディスカッション
20アカデミック・ペーパー 構想発表
21アカデミック・ペーパー研究調査
22アカデミック・ペーパー研究調査
23最終発表 ペーパー講評会(1)
24最終発表 ペーパー講評会(2)
25まとめ

  

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