【コア】科目群 すべての学びに共通する汎用的な知識や力を身につけることを目的としています。「人間理解」と「思考の基盤」の2つの柱があります。 ■人間理解 上智大学は、“共通善”の促進を目指し、その建学の理念を基盤にキリスト教ヒューマニズムを据えています。キリスト教ヒューマニズムは、「全人的な人間理解」のため、様々な観点から「人間とは何か」について主体的に問うことを大切にしています。 『人間理解』の「キリスト教人間学」と「身体知」という2つのカテゴリーには、それぞれのアプローチで人間存在について包括的に考える科目を配置しています。 <キリスト教人間学> キリスト教人間学は、キリスト教ヒューマニズムに根ざして、自分が人間として生きているあらゆる現実の中で、人間として生きる意味や価値を主体的に探求する科目群です。その中心には、人間を自己・他者・自然・神とのかかわりを生きる“かかわりの存在”として捉える全人的な人間観があります。 必修科目の「キリスト教人間学「他者のために、他者とともに」」は、上智大学の教育の精神「他者のために、他者とともに」、すなわち、誰をも除外することなく、社会の中で弱く貧しくされた人々の“隣人”になって欲しいとの願いが込められたユニバーシティ・アイデンティティ科目です。 200番台の選択必修科目では、人権や平和、社会正義や生命倫理、環境や科学技術など様々なトピックで提供されるキリスト教人間学科目群の中から、自分が興味・関心を持ったトピックを扱う科目を選択します。「高学年向け科目」では、哲学・倫理学・宗教学を基盤に諸科学の成果をも援用しつつ、人間存在に関するより高度な課題について深く考えます。 <身体知> 身体知は、心と身体を切り離して考える「二元論」的思考から離れ、心、身体、霊性を含む総体としての人間(whole person) の生きる場として「身体」をとらえ直し、個人のからだへの気づきを、個から他者へ、社会から環境へと広げながら、多様な現代社会の課題解決へとつなぐ知の体系です。この科目群の入り口となる、1年次必修科目の「身体のリベラルアーツ」では、自らの身体への気づきを通して、身体を生きる存在としての人間理解を深めることを目指します。 200番台の科目では、ウエルネスライフ、身体文化、スポーツ文化、身体と共生など、身体知とつながるテーマについて学ぶ科目や、実際に身体を動かし、意識しながら身体知を深める科目を展開しています。「高学年向け科目」では、グローバリゼーションや多様性と身体・スポーツ、環境と身体、学びと身体などの、複雑かつ先端的なテーマを通じて、さまざまな知識を統合しながら、人間存在に関するより高度な課題について深く考えます。 ■思考の基盤 『思考の基盤』科目群では、書かれた文章や数値、画像などのさまざまな情報を検証し、読み解き、問いを立て、考え、表現するといった、学び続けるための基盤となる思考力や表現力、態度や習慣を身につけます。「思考と表現」と「データサイエンス」の2つのカテゴリーがあります。 <思考と表現> 「思考と表現」は、批判的思考と表現力を身につけることを目的としています。必修科目「思考と表現」では、高校までの学びを土台としたクリティカルシンキング(批判的思考)と表現する力を育む科目群のスタートとして、自ら課題を発見します。調査や検証を行い、他者の意見や思考と向きあいながら考えを深め、その考えをまとめるという工程を繰り返し行うことで、物事に対して冷静な視点で考察するクリティカルシンキング(批判的思考)の基礎を習得します。文章作成法ではなく、考えることに主眼を置いた科目です。 ─ 6 ─2.科目群とカテゴリー
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