上智大学

キャンパスライフ ごあいさつ

ごあいさつ

ごあいさつ

『自分のためのボランティアのススメ』

学生センター長補佐 兼ボランティア・ビューロー担当主任 川西 諭

「情けは人のためならず」という諺があります。意味を誤解されがちですが、正しくは「他人に情けをかける(他人を助ける)ことは、その人のためだけでなく、自分のためにもなることだから大いに情けをかけなさい」という意味です。

日本ではボランティアという言葉が自己犠牲という意味を持つかのように語られることがあり、自分のためにボランティアをすると言うと、不謹慎、あるいは偽善などと言われることさえあるようですが、この諺が教えてくれるように、自分のためにも人助けをしなさいという考え方が日本には古くからあるのです。

ボランティアは、もともと自発的(voluntary)に行う活動という意味で、必ずしも自分を犠牲にしなければならない活動ではありません。

ボランティアは自分のためにするのがよい。私がそう考える理由は2つあります。

東日本大震災のあと、大勢のボランティアが東北を訪れました。それはとても素晴らしいことですが、1年もすると東北を訪れるボランティアの数は激減してしまいました。理由は色々あるでしょうが、困っている人を助けたいという気持ちだけではボランティアを継続していくことは難しいようです。ボランティア活動を継続させるためにも、ボランティア自身のためになる活動であった方がいい。これが第一の理由です。

もう一つの理由は助けられる人の心理です。見知らぬ他人に助けてもらうことはもちろんうれしいことですが、同時に「申し訳ない」とか「お返しができないことが心苦しい」という不快な感情を生んでしまうそうです。この感情は心理的負債感と呼ばれ、このために支援を拒否してしまう被災者も少なくないそうです。ボランティアの人が苦しそうに活動していたら、助けられる人はより大きな負債感を感じることになります。「力仕事や体を動かすことが好きなんです」とか、「まちの再建する姿を見たい」とか、「色々と勉強させてもらっています」と言って笑顔で活動してくれるボランティアの方が被災者は受け入れやすいのです。

ボランティア活動を通じて私たちは多くのことを学ぶことができます。遠く離れた場所であれば、知らないこともいっぱいあるでしょう。たくさんの課題を前にして、それをどのように解決していくのか。初対面の人たちとどうやってコミュニケーションをとり、協働していくのか。真剣に主体的に取り組めばそれだけ多くのことを学べるはずです。そして、ボランティア活動を通じて、たくさんの素晴らしい人たちと出会ってほしいと思います。

他者のために、他者とともに そして自分のためにボランティア活動をしてみませんか。