2020年度直営寮利他的リーダーシップ育成プログラム

VUCA※の時代といわれる現代において、将来を予測することは不可能であり、過去の経験や考え方が通用しない時代になってきています。こういった時代にあっては、不確実性の高い未来に対する優れた洞察力と構想力、それらによって自分達にしか出来ない形で提供価値を創り出し解決する力、多様な価値観や考え方の中で個の強みを最大限に発揮しながら他者と協働する力を身に付けることが大切です。
本教育プログラムでは、”For Others, With Others”を具現化し、利他的リーダーシップを発揮できる人を育成すべく、基礎講座(セミナーやグループワーク)と実践PBLプログラム(課題探求型と産学連携型)を相互に繰り返しながら、寮生が自身のVisionを明確に持ち、予測不可能な時代における課題を探求し解決する能力を養成します。
※VUCAとは「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字を取って作られた造語で、 様々な要素によって形成される「予測不可能な状況」を表す用語です。

Basic Program

Basic Programは、各学期に様々なテーマについて、グループワーク等も交えて学びます。英語で進行される講座も、適宜日本語でフォローアップしますので、全寮生が参加できます。

Team Building

利他的リーダーシップを培うためには、チームで動くことの意義や方法を学ぶ必要があります。Basic Programの「Team Building」では、寮生同士がオンラインで繋がり、様々なワークを通して、合意形成を行うためのコミュニケーションスキル、チームが形成される過程やリーダーに必要な要素・役割について学びました。

参加した寮生の声

「会議の進行や、組織の運営をより円滑にする方法に対して、お互いの観点の差を理解しあうのが何よりも大事だと思うきっかけになりました。」

「ワークショップを一番魅力に感じてアルペ寮に入寮したいと思ったので、とても楽しみにしていて、実際にすごく楽しかったです!!」

「ゲームを通じて“process of team building”がすごくわかりやすく、実感しながら学べました。とても緊張していたのですが、アルペ寮の方と話せたのも良かったです。今度のワークショップもぜひ参加したいと思います。」

「今後の考え方の指針の一つとなる新しい考え方でした。今後もこのように自分には無かった考え方を知ってその知識を生かせるようになりたいです。」

Communication

利他的リーダーシップを培うためには、自分自身を知り、他者を理解する必要があります。
Basic Programの「Communication」では、ソーシャルスタイル分析やディスカッションを通して、自分と他者の違いを知り、その違いを乗り越えるために、どのようなコミュニケーションをとる必要があるのかを学びました。

参加した寮生の声

「自分がどのようなタイプかをあまり考えたことが無かった。相手に対してもざっくりとしてしか見ていなかった。タイプによって対応を変えるということも考えたことが無かったが、試してみたいと思う。」

「友人との会話から、重要なプレゼンテーションまで、規模は違えど、人とのコミュニケーションは必要不可欠であり、その上で自分がどうあるべきかという視点に立つことが出来た。」

Problem Solving

利他的リーダーシップを発揮していくためには、発生する問題を解決していくことも必要となります。Basic Programの「Problem Solving」では、問題を分解して整理することで、仮説の検証に必要な情報と分析作業を明らかにし、適切な判断によって結論を導き出す思考法である「ロジカルシンキング」から、仮説思考とゼロベース思考を学びました。

参加した寮生の声

「経験が全てだと思っていたが、経験がないからこそ出来ることもあるということに気づけた。」

「ゼロベース思考は、自分にとっては、今までに無い考え方で、様々な面白い商品が生み出されていて興味を持ちました。実際にアウトプット出来る場を増やしていきたい。」

Be Creative!

利他的リーダーシップを培う上では、自分だけではなく、仲間、チームと一緒に考える「集合知」を使って、クリエイティビティを発揮する事が必要となります。Basic Programの「Be Creative! 」では、ワークやディスカッションを通して、過去の常識にとらわれずに、ヒトに焦点をあてて考える思考法である「デザインシンキング」を学びました。

参加した寮生の声

「問題を探すことの大切さと難しさを学んだ。シンプルで安くできる解決策があることも忘れてはいけないと思った。」

「デザインシンキングでは、問題を理解し、それに対する解決策をどんどん出していくという観点が面白いと思った。自分でもアイディアを実際に出していきたいと思った。」

「私に最もインパクトがあったのは”fail early, fail often”という言葉。私は周りの目が気になり、judgementが怖くなることがある。しかし、何もせずに何も学ばないより、怖くても挑戦して、一歩踏み出す方が良いと思った。」

「アクティビティを通じて、問題を解決することよりも実際に今ある状況について学び分析し問題を提示するということがまず大切だということがわかった。そのためには、自分一人で固定概念にとらわれるのではなく、様々な背景を持つ人々と違いを刺激し合いながら常に学び続けることが大切で、柔軟な考え方や思考プロセスが必要だということにも気づかされた。」

Discover your journey

Basic Programの「Discover your journey」では、人生の幹となるような未知の「やりたいこと」を発見し、実現するためのプログラムを実施しました。ワークやディスカッションを通して、やる気のメカニズムを理解し、参加者ひとりひとりが自分自身の「価値観」を発見しました。

参加した寮生の声

「STEM分析がとても面白かったです!自分の価値観を考えることは今までなかったので、とても良い機会になりました。自分のことはもちろん、他の人の価値観を理解できたのがとても面白かったです。自分の価値観と行動を結びつけることができたら、自分の人生がもっと楽しくなるし、将来がひらけそうだなと思いました!」

PBL Program

PBLとは、「課題解決型学習」とも呼ばれ、知識の暗記などの受動的な学習ではなく、自ら問題を発見し解決する能力を養うことを目的とします。
・実社会の組織や人々と関わり、その姿を間近で見ることに数年後の自身のキャリア像・成長像を学び得る。
・主体的に取り組み、リーダーシップを発揮したことの成功体験・失敗体験を学び得る。
・問題や障壁に対しての具体的な解決手法、思考方法、また自身の強み、弱みの理解を学び得る。

課題探求型

SDGsをテーマとしたPBL Program(課題探求型)を実施。各自が興味のあるGoalを選び、身近な問題に取り組みました。

Team A—SDGs Goal1“貧困をなくそう”

【活動の目的】自分たちの行動を少しでも世界の貧困率減少に役立てたい。
【活動内容】毎週火曜日と土曜日に、実際に活動をしている人にインタビューを行ない、
インスタグラムとフェイスブックで情報発信行った。
【参加メンバーの感想】
・この新型コロナウィルスが拡散している中、実際に活動するのは難しかったためSNSでの活動はとてもよかったと思う。
・PBLで学んだ「人を巻き込む力」はとても難しいと感じたが、人を巻き込むことによって、知らなかった知識を得たり、私たちの活動をより多くの人に広げることができた。
・このプロジェクトを通して、貧困だけでなくチームワークや活動の仕方など様々なことを学ぶことができた。

Team B—SDGs Goal 4 “質の高い教育をみんなに”

【活動の目的】SDGsについて知ってもらう機会をつくること。これが質の高い教育に繋がると考える。
【活動内容】日本の学生(身近なところ)をターゲットとする。まずは、母校と交渉し、協力してくれる学校でSDGsの授業を行う。絵本のような可愛い教科書を作り、興味を持ってもらいたい。
【参加メンバーの感想】
・PBLプログラムはプロジェクトをどうやって前進させるべきかを深く学ぶために良い経験だった。
・母校とたくさん話し合いをしたが、最も苦戦したのはプロジェクトの「一貫性」。
・どのようにプランを構築するか、そして実行に移すかを実践的に学習した。プログラムでの学習は、一貫性を持って交渉する力として役に立った。

Team C—SDGs Goal 13,15 “Team Plogging”

【活動の目的】コロナ禍でできることが限られている中でも、簡単に誰でも出来るノルウェー発祥の「プロギング」を発信し、広める。
【活動内容】ポスターを日英版で作成の上、協力者を募り、7名の協力者にプロギングを実際に体験してもらった。自分たちもプロギングを行い、アルペ国際学生寮から上智大学四ツ谷キャンパスまでのプロギングでは、2名で約3.2kgのごみを回収した。
【参加メンバーの感想】
・誰でも簡単にできるような活動を始めることが大事だと考えPBLのテーマとしてプロギングを選んだ。誰でも簡単にできる社会貢献活動であり、健康のためにもなる!
・PBLを通じてメンバーとしっかりコミュニケーションをとったり、こまめな連絡を取るという、いわゆる「報・連・相」の大切さを感じた。

参加した寮生の声

以下は本プログラムに参加した寮生である阪田さんの体験談です。阪田さんは、PBL(課題探求型)のパートでチームA (Team A—SDGs Goal1“貧困をなくそう”)のメンバーとして活動しました。阪田さんに、PBLのテーマを選んだ理由やプログラムに参加した感想とプログラムから学び得たことについて、うかがいました。

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