基盤教育センター長 挨拶

基盤教育センター長 柴野 京子

CLEL Director

基盤教育センターは、この複雑な時代を生きていくために不可欠な、まさに人生の「基盤」となる知を育むことを目的に設置された全学組織です。

日本におけるリベラルアーツは「教養教育」と訳され、大学のカリキュラムの中では基礎的な一般教養と解釈されることもありました。しかし、もとは中世の大学で教えられた「自由七科」、すなわち人間が自由に生きるための知をさす言葉でした。

いっぽう現代の私たちは、日々さまざまな情報が行きかい、機械を介したコミュニケーションがインフラとなり、あらゆる場面でボーダレス化が進む世界を生きています。そうした大きな変化の中で最大の課題は「他者とともに、他者のために」どのような自己を築いていくかです。そこでは新しい知の体系、21世紀のリベラルアーツが必要です。

このような考え方に基づく上智の「基盤教育」は、キリスト教人間学、身体知、思考と表現、データサイエンスの4つのコア領域と、展開知領域で構成されています。コア領域では、人間であることを自らの精神と身体から問うこと、テキストやことば、データの向こう側に存在する多様な思考や、目に見えないものごとにアプローチする批判的な力を養います。

さらに展開知領域では、具体的な課題・視座について問い、あるいは実践的に取り組む機会が与えられます。すべての上智生は、これらの科目と語学、専門科目とを組み合わせ、4年間をかけて自分自身の「基盤」を形成していくのです。

以上のような学びを実現するため、基盤教育センターではコア科目の提供、各学部学科による専門科目および全学共通科目、言語教育研究センター、グローバル教育センター提供の全学共通科目を有機的に連携させたカリキュラムの設計・運営に取り組んでいます。加えて、教育方法の開発や啓発活動を行う「教育開発領域」を設けるとともに、学生の自律的な学修を支援するサービスとして「ライティング・ラボ」や「データサイエンス・クリニック」も提供しています。

予測不可能な社会においてもっとも確かな力は、自ら学ぶことで鍛えられます。過去・現在・未来を生きる人間として、私たちも学生とともに学び、考えていきたいと思います。

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