身体を意識し、身体から人間を理解する

インターネットやAIなど情報技術が著しい進化を遂げ、バーチャルな空間が広がる現代社会では、人間の身体に対する意識が薄れつつあります。身体知領域では、そのような身体性が問われる現代社会の中で、身体(からだ)の側面からの人間理解を試みます。

自分自身の「身体=存在」への気づきを基盤として、身体を通じた自己表現、他者・外界とのコミュニケーションなど、自ら体感し考える機会を得るための、実践を重視した科目を中心に学びます。
ウエルネス、身体やスポーツの文化など、さまざまな側面から、包括的な「身体知 (Embodied Wisdom)」について、討議や体験学習などを通じて多角的に学び、自身への気づきや多様な社会の問題解決へと繋ぐ「身体の知」の獲得を目指します。

大学4年間の学びのイメージ

身体知
必修科目

必修科目の「身体のリベラルアーツ」は、“⾝体で感じる・知る”ことを通して、多様な学問や価値観のなかで⾝体(=存在)から思考し、生涯の学びにつながる「教養としての身体」を獲得するために、身体知領域が展開する科目群の入り口として1年次に履修します。

授業では、自身のからだに目を向け、生きている身体を感じること、他者や集団との関わり方、現代社会の抱える問題を自らの問題として捉えることについて、講義やさまざまなワークを通じて、実践と学びの機会が提供されます。

自らの身体に出会うこと、身体に気づくこと(Body Awareness)を通して、身体を生きる存在として捉え直し、人間理解を深めていきます。

選択科目・高学年向け科目

200レベルの科目では、ウエルネスライフや身体文化、スポーツ文化、共生などに関係した科目や、個人や集団で行うスポーツ種目など、身体の知をめぐる個別テーマにつなぎながら、広い視座から得られる知識を、自らの体験に基づいて学んでいきます。

さらに高学年向け科目では、多様性と身体、グローバリゼーションと身体、国際平和とスポーツなど、複雑かつ先端的なテーマを通じて、さまざまな知識を統合しながら、人間存在に関するより高度な課題について深く考えていきます。

わたしたちはこの世に生まれた瞬間から、身体を通して何かを感じ、表現し、そして人や社会、世界とつながっています。その一方で、バーチャルな空間やAIのような、今までの身体性を覆すような新しい知が広がるなど、人間が自分の身体そのものを生きる意味や、そのあり方が大きく問われています。

身体を意識し、人間そのものを考えるとき、こうした様々な問いが生まれます。実践的に身体を使うこと、身体の視座からものごとを捉え直すことを通して、このような問題を自分事として考えてみましょう。

教員一覧

領域長

島 健 教授

研究分野 コーチング学、フライングディスク、水泳
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吉田 美和子 教授

研究分野 ソマティック教育、ボディワーク、乳児の運動発達教育

竹村 りょうこ 准教授

研究分野 スポーツ心理学、テニス
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新井 真実 講師

研究分野 舞踊学

庄形 篤 講師

研究分野 スポーツ人類学

Jiyun BAE 助教

研究分野 教育学、体育・スポーツ哲学、身体感性論

薄井 澄誉子 特任助教

研究分野 応用健康科学、女性の健康

時野谷 勝幸 特任助教

研究分野 運動生理学、運動生化学、分子細胞生物学

上智大学 Sophia University