西バルカン諸国からの青年団が本学学生と交流しました

「平和」が持つ意味について議論する参加者

2018年11月5日に、東西文化の交差点である西バルカン地域6か国(アルバニア、ボスニア・ヘェルツェゴビナ、コソボ、モンテネグロ、マケドニア、セルビア)から20代の青年17名が本学を訪れ、上智大学生と交流しました。青年団一行は、日本政府の招聘により日本を訪れ、異文化交流等を通じて日本に対する理解を深めると同時に、西バルカン地域における融和の促進を図ろうとしています。

西バルカン諸国は、1990年代のユーゴスラビア紛争を経て、経済社会の復興に取り組んでいます。一方で、紛争により民族や国家間の関係は未だ緊張をはらんでおり、和解を実現することが、この地域の安定的な発展に欠かせません。

青年団一行は、グローバル教育センター長の小松教授によるファシリテーションのもと、上智学生を含めた小グループに分かれて議論しました。まず、参加者が自身の名前の由来を説明しつつ自己紹介をしました。その後、「平和」を象徴する言葉をそれぞれが紙に記し、グループ内で意見交換を行いました。

参加者が考えた「平和」を象徴する言葉

西バルカン諸国の参加者からは、harmonyやempathy、coexistenceといった地域の実情を反映する言葉が出され、それぞれの言葉の意味について議論は進みました。

西バルカン青年団の一人は、「グループの中に、西バルカン地域では対立関係にある民族出身者がいたが、同じグループに入っていた日本の学生に対して、お互いの立場を尊重して地域の事情を説明することが出来た。このような経験は母国ではあまり無かった」と発言していました。また、本学の日本人学生からは、「バルカンの方々と会うのは人生初だった。平和への思いが強い彼らの「自分の国を変えていきたい」という言葉に心を打たれた。彼らが日本で経験したことを聞くことで、日本についていつもと違う視点を得られた」といった意見が聞かれました。

TAISHIによる書道の実演を見入る参加者

ディスカッションの後は、グループ毎に本学学生が青年団にキャンパスを案内し、昼食を共にしました。午後には、6号館101教室において日本伝統芸能を通じて平和のメッセージを届ける団体TAISHIによる日本舞踊、法螺貝と書道のパフォーマンスを鑑賞し、団体メンバーとの交流を楽しみました。

本イベントは、西バルカン地域の多様な民族背景を持つ若者同士、そして日本の学生が彼らと交流し、彼ら自身が生きる社会を想像・創造していくためのプラットフォームを提供したという意味において、上智大学のミッション Sophia – Bringing the World Together を具現化するものであったと言えるでしょう。

上智大学 Sophia University