社会福祉学科 富岡 千香子 (アフリカに学ぶ)

2020年度春期 アフリカに学ぶ(オンライン)

私は、大学2年生の春休みに「アフリカに学ぶ」に参加しました。大学1年生の頃から実践型プログラムに参加したいと考えていたのですが、コロナ禍で渡航が難しい状況になってしまいました。しかし、それでもプログラムに参加したい気持ちは変わりませんでした。コロナ禍の今だからこそ学べることもあるのではないかと考え、いくつかのプログラムの中で最も魅力を感じた「アフリカに学ぶ」への参加を決めました。

プログラムでは、計10日間のzoom講義で現地の方と繋がりました。内容は盛りだくさんでここには書ききれないほどですが、反アパルトヘイト運動の活動家で政治犯としてロベン島に収容されていた方や現地のタウンシップの方、JICAの職員の方とのディスカッション、現地の大学生との交流などを行いました。実際に現地を訪れる場合、違う場所に行くには当然移動が必要になるのですが、オンラインでその必要がなくなったため毎日違う都市の方のお話を伺うことができました。講義終了後は毎日先生と参加メンバーでフィードバックを行い、その時間で学びを深めることができました。私はもともとリスニングがあまり得意ではなく、更にオンラインであったため内容を吸収しきれるか不安に思っていました。しかし思っていた以上に多くの学びを得ることができました。画面越しではありましたが、南アフリカの方々の明るくこちらも笑顔になるような雰囲気は伝わりました。英語で分からない部分があれば、その場で質問するか後で先生やメンバーに聞くようにしていました。プログラム期間中も英語の勉強を頑張り、今後の英語学習のモチベーションにも繋げることができました。

プログラム期間で学んだことは、細かな学びも含め非常に多くあります。プログラム参加前に、(1)コロナ禍における南アフリカの現在と今後の展望、(2)南アフリカにおけるHIV/AIDSの課題、(3)南アフリカの文化や歴史を学ぶという3つの「問い」を設定していました。この問いに対しては、大分多くのことを学ぶことができたと思っています。特に(1)に関してですが、現地の方とのオンラインでの交流を通して、文献やネット上の情報を通してでは学べないリアルな情報を得ることができたと思います。例えば現地の写真家の方からコロナ禍で移住が進み、新たにできた“COVID”という居住区域の写真を見せていただくなどして、南アフリカの現在の状況を感覚的に把握することができました。また、(3)に関してですが、ロベン島の元政治犯のライオネルさんのお話やバーチャルサービスラーニングから、アパルトヘイト後の今でもやはり人種差別の影響が残っていると学びました。日本では世界史の教科書にさらっと載っていた内容を、現在との連続性のあるリアルなものとして実感しました。ライオネルさんにどのように人種差別を克服できるか質問し、様々な差別をどう乗り越えていくか考えることができました。ライオネルさんに教えていただいたように、相手を尊敬し愛すること、そして自分が一番初めに行動するという意識を持つことを大切にしていきたいと思います。それと同時に、自分の中にあった黒人と白人間の人種差別に対する意識を、より当事者としての意識に近づけることができました。

このプログラムを通して新たな疑問もいくつか生まれました。例えば、南アフリカの孤児院の話になったとき、南アフリカに「児童虐待」という概念があるのか疑問に思いました。自国と相手国にある概念の違いについて考えていくのは、重要なことだと思います。今後、この講義で学んだことを意識しながら、国際協力を学んでいきたいと思います。南アフリカのことを学ぶつもりで講義に望んでいましたが、反対に南アフリカを通して国会でのジェンダー平等など日本の課題が浮かび上がってくることもありました。

プログラムを通じてJICAの方にお話を伺い、将来のキャリアの展望が大分開けた気がします。私は、他の職種に就いた後国際協力の仕事に携わりたいと考えています。今までこのような例をあまり聞いたことがなかったため不安に感じていましたが、前の職種での経験や視点を生かすことができると教えていただき、前向きに考えることができるようになりました。
私はこのプログラムに参加して本当に良かったと思っています。ぜひ皆さんも挑戦してみてください。

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