ドイツ語学科 新田 純奈 (フライブルク大学 <ドイツ>)

交換留学 2015年春学期~秋学期

日本文化の日での発表

私は3年次に約1年間、ドイツの南西部に位置するフライブルクに留学していました。

まず、私が交換留学を志した経緯となぜフライブルクを選んだかについて記したいと思います。高校一年生時に偶然フライブルクの環境政策の本に出会い、環境に興味を持ちました。そのころから、ずっとフライブルクに行ってみたいと思っていました。高校一年生の終わり頃には、高校のパートナー校交流でドイツのルートヴィヒスハーフェンにホームステイをしました。ほとんどドイツ語が話せない私でしたが、ホストと趣味が合い、とても仲良くなりました。そのホストがフライブルクに引っ越し、ホストと再会したい、また、実際にフライブルクに行き、本で紹介されていることをこの目で確かめたいという思いから留学するならフライブルクと決めていました。私は、ドイツに留学したいというよりも、フライブルクに留学したかったのです。フライブルクを知るきっかけとなった本の筆者の方にもお会いし、本とサインも頂きました。ホストにも再び会い、生まれたばかりのホストの赤ちゃんも抱かせてもらいました。本当に高校時代からの願いが叶いうれしい限りでした。

留学を通して大切と感じたことが主に三つあります。まず一つ目が、「情報収集」を行うことです。私は、インターネット、ポスター、新聞、冊子、雑誌、友達等、様々な方法で情報を得て、面白そうな催しがあったら、場所を調べ飛んで行きました。講演会を聴きに行ったり、ビーバーの生息地を観察しに行くツアーや自然保護区の手入れ作業、カエルの救出活動等にも参加しました。周りは、皆ドイツ人で、なぜこんなところに、アジア人の子供が迷い込んでいるんだ、一体どこでこのイベントを知ったのかと不思議がられました。最初は催しそのものに興味があり出向いていたのですが、様々な人と出会いがあり、そしてお話しするのが楽しく多くの催しに参加しました。

二つ目は「人とのつながり」です。フライブルクには日本人の留学生もたくさんいましたが、私は、日本人であればどちらかといえば社会人の方々と多くお付き合いさせていただきました。ワーキングホリデーで来ている社会人の方からフライブルクで日本語教師や翻訳通訳として活躍している方等様々です。その方々とお付き合いさせていただく中で、とても刺激を受け、多くのことを教わりました。また、悩みがあれば相談にものってくれ、本当に心強い味方でした。ドイツ人の友人は、最初の頃は日本語が出来る人が多かったです。日本語が出来て、日本の文化も知っているドイツ人の方とは、たとえドイツ語で話していたとしても、コミュニケーションがとりやすいのです。しかし、時間が経つにつれ、日本語を話さないドイツの友人も増えていきました。12歳の女の子とも知り合って、日本語を教えたり、ご家族と会ったりもしました。同じドイツ人でも人それぞれよく使う言葉が異なり、同じことを言うにも違う表現をするので、友達が増えれば増えるほど、新しいドイツ語を発見できました。

三つ目は「挑戦」することです。フライブルク市公認の通訳翻訳家の方のアシスタントとして学ばせて頂いたり、環境教育施設で実習もさせてもらいました。さらに、ある日本の大学の教授と知り合い、共同研究を一緒にしないかとお声をかけて頂き、主にメールやアンケートの翻訳、Skype経由で日本で行われているゼミに参加、視察コーディネートもしました。他には、長期休暇中は普段自分が勉強している大学付属の語学学校でアルバイトをしたり、エコフライヴィリヒという環境問題に関心のある人のサークルの一員として様々な活動をしました。無農薬野菜を栽培している市民グループの活動に参加したり、また、フライブルク市で定期的に行われている市民講演や日本文化の日というお祭で発表を行わせて頂きました。大勢の方の前でドイツ語での発表、しかも語学学校の職員の方々も見に来ていたので緊張しましたが、大きい達成感を得ることが出来ました。帰国してから半年後、突然送られてきたArbeitsbescheinigung(仕事経験証明書)には、語学学校で働いた内容に加え、この自主的に行った発表のことも記載されており、驚きました。

私はそもそも「言語学習、文化を感じる、環境保護を学ぶ」という三つの目的を持ち留学をしましたが、とにかく積極的に行動することで三つを同時に果たすことができました。留学で学べることは言語だけではありません。ここでしかできない、今しかできない貴重な体験をすることによって、ドイツ語以外にもその他の大事なことを学べたように感じます。

留学後でもフライブルクで知り合った友人とエコフライヴィリヒの活動を日本で継続したり、日本に遊びに来るドイツ友人を案内したりしています。この繋がりを大切にしていきたいです。

帰国から約7ヶ月した現在、自分の卒業制作の取材のためと複数のフライブルク視察のコーディネートのために再びフライブルクに行くことが決まっています。これからも、ドイツ、特にフライブルクと何らかの形で関わり続けていきたいです。

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