上智大学

グローバル教育・留学 史学科 佐藤 一麦 (フライブルク大学 <ドイツ>)

海外短期語学講座 2016年夏

 第二外国語にドイツ語を選択したのは、話し手によって強くも柔らかくも変化するその独特の響きに魅了されたからです。

 今回の研修には、ドイツ語の総合的な能力の向上を目標に参加しました。実際に一か月をドイツで生活する中で折に触れて感じたのは、書くのに及ばないくらい当たり前のことだけれど、ドイツ語が生活上の言語として使われていることへの驚き。なぜなら、これまでドイツ語は私にとって、教科書やその他の書物を介した机上の勉強でしか知りえない、言うならば生気のない言語だったからです。この当たり前の驚きは、ドイツ語への愛着と、さらに勉強したいという向上心につながりました。

 私が一か月学んだクラスは、同じようにドイツ語を学ぶ各国からの留学生で構成されていました。授業中はドイツ語でコミュニケーションを取り、会話の中で、時として動詞が文末に置かれるというドイツ語特有の文法を学ぶことができました。何か分からないことがあったときに辞書に頼るのではなく、些細なことでも質問して解決しようとするクラスメートの積極性には刺激を受けました。また、年の離れたクラスメートも多く、学びには終着点がないことを実感させられ、学習に向かう姿勢の面においても大いに影響を受けたと思います。

授業外の時間を使っての旅行やグルメ巡りも、とても楽しいものでした。切符を買うときや料理を注文する際、ドイツ語の時刻表やメニューに苦戦しながらも、会話で使ったのはもちろんドイツ語。楽しみの中で、カルチャーショックも何度か経験しました。そうした経験を通して、異なる文化を生きる人々へ敬意を示すうえで大切なのは、まずは言語を習得することだという気持ちを強くしました。もちろん英語を使えば、世界中のほとんどの国の人と会話ができてしまうでしょう。でも、世界には長い歴史の中で培われ、受け継がれてきたその地特有の言語が存在するのです。現地の言葉が分かると、そこに暮らす人々や文化への理解が深まります。よく取りざたされる異文化理解の出発点とは、これに帰着するのではないでしょうか。

 最後に、将来は世界史の教員を目指している私にとって、ドイツ語が分かると様々な場面で、それを生かすこと、面白い説明ができるのは今から楽しみです。研修先のドイツ南西部フライブルクは、街中を水路が通る美しい街です。そこに暮らすドイツ人は親切でおおらか。そのような環境で一か月の間ドイツ語に浸り、生き生きとしたドイツ語を知ることができたのはとても幸運なことでした。これからも学習を続け大好きなドイツ語の世界に踏み込んでいきます。