総合グローバル学科 藤田 みのり

2017年東テイモール・スタデイツアー

授業で東ティモールという国を知り、興味を持ちました。先進国の滞在経験はあるものの、「発展途上国」は未知の場所だったので実際に現地に行って国際支援のあり方やその効果、国連の役割などを自分の目で見てみたいと思いこのツアーに参加しました。
東ティモールは東南アジアの小さな国です。16世紀ごろからポルトガルの支配を受け、第二次世界大戦中は日本に占領されたこともありました。その後一時は「東ティモール共和国」としてポルトガルから独立を果たすものの、インドネシア軍に併合されインドネシアの支配下に置かれていました。インドネシアからの独立闘争を経て、国連の暫定統治を受け入れ2002年に「東ティモール民主共和国」として独立を果たしました。闘争時には町のほぼすべてが焼かれてしまい、独立時はほとんどゼロの状態から国の再建が始まりました。今回のスタディーツアーのテーマが平和構築ということで「東ティモール建国の父」と言われるシャナナ・グスマオ初代首相とマリ・アルカティリ元首相と面会し質疑応答に応じてもらえました。両氏の間で権力闘争があったものの、内戦などの最悪の事態には発展しませんでした。それは彼らが東ティモールを自主権のある民主的な国にするという共通の目標があり、国を豊かにするためには平和と安定が不可欠であるという認識を持っていたからです。国を愛し、国民を愛しているから今の平和な国造りが成し遂げられたのだとおっしゃっていたのが印象的でした。シャナナ・グスマオ氏が東ティモールをこれから農業、観光業、海底資源の自主生産を産業とすることで発展させていきたいと語っていらっしゃいました。

東ティモールとはいったいどんな国だろうと想像しながら向かったのですが飛行機の窓から見えた風景は、山は緑に覆われ海はさまざまな青色のグラデーションが美しい、豊かな自然が広がっているところでした。熱帯特有の暑さに包まれた中、安全上水道水を飲むことができないためミネラルウオーターを買いにティモールプラザというショッピングモールへ行きました。そこはホテルも併設されており、映画館やカフェ、携帯会社、スーパーマーケットなどが入っているモールで、エレベーターも設置された想像以上に近代的な建物でした。首都ディリの道路はほとんど舗装されていてバスでの移動は苦ではなく、交通インフラの整備も進んでいると感じました。

東ティモールの伝統工芸品に「タイス(Tais)」という布があります。工芸品を扱う店ではタイスを使って作られたバッグ、マグネット、ネクタイ、ベルト、タイスを巻き付けてビーズ状にしたもので作られたブレスレットやネックレスなど様々な品物がそろっていました。カラフルなタイスを貼った箱もありました。またレストランではメニューの表紙にこのタイスが使われているのを見かけることもありました。また、東ティモールはコーヒーの産地でもあり、フェアトレードのコーヒーやお茶の生産をして日本でも販売しているNPO法人パルシックの方に話を聞き、コーヒー工場の見学に行きました。そこで従業員と談話する機会もありました。彼らは失業率が高い社会の中で日本に比べて低賃金であるものの、働く場所があることに誇りを持っていたように思います。

最後に、今回のスタディーツアーに参加した仲間と出会い語り合えたこと、ツアーで通訳をしてくださったエヴァリストさん、ツアーを企画し、運営をしてくださり、シャナナグスマオ氏やマリアルカティリ氏に面会できるという貴重な場を設けてくださった東先生に感謝しています。

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