機能創造理工学科 山本 華菜子

2017年東ティモール・スタディツアー

私は、普段主に理工学部で機械についての専門的な勉強しているために、世界の情勢や平和問題などを学ぶ機会がほとんどありませんでした。このような情報を得る手段としては、メディアしかなく、将来機械の分野で世界を相手に闘っていける人になりたいと考えている、わたしにとってはかけ離れたもの、自分が今後学んでいきたいと思っていることとは逆方向にあるものだと感じていました。
しかし、上智大学という世間から外国語、世界とのつながりが強いと思われている大学に通わせてもらっているにも関わらず、世界について無知な状態で将来世界と戦っていけるのであろうか。と思い、今の自分を見直すため、これからの人生に何か目標と課題を見つけるためにこの東ティモール・スタデイツアーに参加しました。
このツアーに参加して自分なりに感じ考えた点が2つあります。

まず1つには、平和構築という分野の学問はいろいろな専門の人の力が必要であるということです。わたしは、今の平和構築という学問は文系の人が主流に立ち、様々な発展途上国、内戦が続く国へ出向き、現地の人の言葉やその国で頑張っている人々のことを映像や本にして伝えていくというものであるのではないかと考えていました。実際にわたしも平和構築というのは自分の専門分野からは程遠い存在だと勝手に解釈していました。しかし、東ティモールに行ってみて青年海外協力隊の方やNGOの方、国連の方の仕事内容を見聞きさせていただいたところ、映像を作ることに特化している方が言葉の違いにより意思疎通できない国民の人々に思いを映像にして伝えたり、義足や義肢を作る専門家が田舎の町の家を一軒一軒訪ね、障害者一人一人に道具を提供したり、合気道の達人が警察官の卵に合気道を教えることによって礼儀を学んでもらう活動をしたりしていまいした。このようにさまざまな分野の方々が、自分の持っている知識を使って、発展途上国に住む人々の平和構築につなげる仕事ができることを知ったことは、将来何かひとのためにひとつでも役に立つことができるのではないかという希望となりました。また、これからの未来を担う同じ世代の人たちにも平和構築とはどんな分野のひとでも活躍することができる、みんなで考えていかなければいけない問題なのだということを知ってもらいたいと思いました。

2つ目に東ティモールは一般的に世界の国連統治があった国の中でも国連PKO部隊がいなくなってからも平和を保つことができていて成功した国であると考えられているが、平和であるかどうかということはその国と関係のない第三者が決めるべきではないのではないかと思いました。今の東ティモールの状況は若者に仕事がなく、仕事がある人でもほとんど給料がもらえない環境であり、今情勢を支えている石油もあと少しでなくなり、今後のことは誰もがわからない状態です。この状況が幸せであるといえるのでしょうか。もし、戦争や内戦がないという点だけで平和な国であるという人がいるならば、わたしはその意見には賛成することができないです。今の状況では、食料や権力、仕事、お金をめぐって再び内戦になることはありうると思います。せっかく、今戦争のない国として一歩前に進んだからこそ、次はみんなに仕事があり家族と共に幸せに暮らすことができる生活を手に入れられるよう、先進国の人たちが農業や、観光の面で手助けをする時なのではないかと考えました。

このページの内容についての
お問い合わせ窓口

担当部署名
グローバル教育センター
お問い合わせ窓口
2号館1階