英語学科 長谷川 瑞季

2017年東ティモール・スタディツアー

アルカティリ元首相と集合写真

私は東ティモールスタディーツアーに参加して、とても有意義な1週間を過ごすことができました。東ティモール人は全体的に穏やかな人が多く、とてものんびりした印象でした。この国は収入を天然資源に頼りすぎている面があり、他の産業が発達していないため、失業率も高いです。しかしこの国の自殺率が低く、治安も非常に良いことから彼らの幸せさが伺えました。とても11年前に大きな紛争を経験した国とは思えませんでした。

元首相の話をメモ

今回のスタディーツアーでは主に平和構築について学びを深めるために、平和構築に関わった前首相のアルカティリさんとグスマオさん、地元警察、日本大使館、JICA、外務省の方々にお話を伺うことができました。また平和構築に直接関係しているわけではないですが、上智大学のOGの方が運営しているPARCICというNGO団体を視察したり、コーヒー豆の工場を訪れて労働者の話を直接聞いたり、上智の浦神父が副校長を務めている学校にも訪れる機会に恵まれ、生徒と交流を深めました。東先生の授業を春、秋どちらも受講していて、事前に平和構築に必要な要素を学んでいたので、東ティモールという国を実際に訪れてどのようにそれらの要素が適応されて今に至っているのかを感じることができてとても良い機会でした。また授業以外にも事前学習会が開かれ、国がたどってきた道のりなどを参加者全員で理解しました 。

グスマオ元大統領からプレゼント贈呈

本題のなぜ東ティモールが平和構築に成功したかというと、東ティモールの国のトップに立つ首相や官僚は民主主義の定義を非常によく理解していて、国全体が一つになるような様々な工夫がされているからだと思いました。まず東ティモールの政策は一つの明確な目標があり、その目標は民間レベルでも認知されています。その理由として、東ティモール人はコミュニティーの絆を大切にしていて、そのコミュニティーのリーダーを招待して政治的な集会を開くことがしばしばあるからだそうです。そしてその情報を提供できるネットワークがそれぞれのコミュニティーの中で確立しているため、認知度が高いそうです。その結果、国民の政治に対する意識も非常に高く、選挙の投票率は国民の80%に登ります。メデイアでの情報発信の他に、実際に対面して会話をすることの重要性を感じました。また、東ティモールには野党が存在せず、党争がありません。その点について前首相のアルカティリさんに話を伺うと、野党としての役目は果たしているが、国としての一つの目標があるため、与党に対して参加的野党だそうです。つまり、常に野党に対して協力的な姿勢で、真の意味で国を良くしていこうとする意志が固いということです。これは、日本の政治が東ティモールの政治から学ぶべきことではないかと感じました。
このように沢山の人々にお話を伺うことができたのは、東先生の幅広い人脈のおかげであり、大学のスタディーツアーでなければ元首相に話を伺うようなことは不可能だったと思います。このような貴重な経験をさせてくださった東先生と忙しい中時間を割いてくださった方々に感謝したいと思います。

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