2018年度に行った本学の主な取組み
を紹介します

グローバル教育科目の充実

国際協力のキャリア形成に向けた高度な教養と実践力を培う教養教育プログラム「グローバル・コンピテンシー・プログラム」は、専門科目の履修対象年次を拡大することで履修者数が増加した。本プログラムは、各コースで多様な専門家を外部講師として招聘することにより、具体的なキャリアを考えながら専門性が身につくプログラムとなっており、次年度からは国内ボランティア団体とも連携するなど、内容の更なる充実化を図っている。
また、本学と協定を締結した国際機関やグローバル企業等で2週間~5ヶ月間インターンシップを行い、事前事後の講義受講と課題提出によって単位を取得する「グローバルインターンシップ科目」を拡充。マスコミ、商社、国際機関等受入分野を開拓するとともに、海外の実習先に英国、カンボジア、タイ、フィリピン、マレーシアが加わるなど多様化したことで、海外インターンシップの履修者数が約2割増加。科目の履修者総数は前年度の81名を越える93名となった。

国際会議、カトリックネットワーク国際会議への
出席を通じたネットワーキングの強化

NAFSA、EAIE、APAIE、イエズス会大学連盟主催国際教育会議等への出席を通じて、既存の協定校や新規協定候補校と面会し、積極的なネットワーキングを行った結果、大学間協定に基づく交流数は派遣、受入併せて1,600名以上を保ったほか、後述の海外大学院との新規プログラムの構築や、「大学の世界展開力強化事業」(COIL)の採択など具体的な成果に繋げることができた。役職者の積極的な出席により、本学のプレゼンスを高めることができている。当該年度末現在、交換留学協定校は57カ国299校にまで拡大している。

国際学生寮が完成

新国際学生寮の共有空間「コモンリビング」

日本人学生と外国人留学生の混住型学生寮である「上智大学アルペ国際学生寮」が完成。2019年度からの供用開始を目指して寮生の募集を開始した。寮の名前は本学の経営母体であるイエズス会の元総長で、日本とも縁が深いペドロ・アルペ神父にちなんでおり、日本人学生と外国人留学生が、本学の教育精神「他者のために、他者とともに生きる」を念頭に、互いを尊重しながら共同で生活する場となることを目指している。入寮者全員には、将来グローバルな舞台で活躍する人材となるための寮独自の教育プログラムも実施される予定。

グローバル教育の効果測定ツール(BEVI-J)の運用開始

留学の学習成果を客観的に測定するための心理分析テスト「BEVI (Beliefs, Events, and Values Inventory)」を一部プログラムでパイロット導入し、留学の検証・評価・分析を開始した。BEVIは、米国を中心に約60の高等教育機関で広く導入されている心理分析テストで、本テストの受験により、学生は自身の価値観や異文化に対する意識や態度等の変化を把握することができる。また、大学側は留学プログラム毎に学生の変化の動向を把握することが可能となる。今後も対象範囲を拡げて導入し、留学プログラムの効果測定や検証・分析に役立てていく計画である。

国際アドバイザリーボード(外部評価委員会)の開催

アドバイザリーボード会議の様子

第2期国際アドバイザリーボードメンバーによる会議を9月及び3月に開催。国内外から招聘した有識者による活発な意見交換と積極的な提言が行われた。9月開催の会議では、「次世代社会に向けた大学のグローバル化について」と題し、「大学のグローバル化」の定義や学生が身につけるべき能力、本学が有する国際ネットワークの活用と展開、産学連携等について議論が行われ、現在検討中の教育プログラムや国際ネットワーク展開の方向性に関して多くの示唆を得た。また、3月開催の会議では、「大学院教育の刷新と研究との連動」というテーマのもと、本事業の教育展開との両輪となる本学らしい研究推進のあり方から、大学院プログラムの活性化、社会人教育プログラムに至るまで、幅広いテーマで意見交換が行われ、現在検討している新たな大学院プログラムや社会人対象のプログラムに対して有意義な知見を得ることができた。

IRによる分析、政策決定への取組み

本事業によって構築したIR推進体制のもとで、卒業後3年・5年・10年を対象とした卒業生調査を実施し、内部質保証の一環としての各種データ収集をした。卒業生調査の結果は学内の主要会議でも共有され、今後の教学施策への活用が検討されている。海外調査においては、Webアクセス解析による海外からのサイト流入の分析に基づき、本事業構想で2020年度に開設予定の新たな英語による学位取得プログラム(SPSF)のための広報戦略の施策を提言した。

英語による新たな学位プログラム
「Sophia Program for Sustainable Futures」の開設の準備

従来の国際教養学部、理工学部に加えて、新たに新聞、教育、社会、経済、経営、総合グローバルの6学科において英語で学位を取得できるプログラム「Sophia Program for Sustainable Futures」について、本事業の構想に基づき、 2020年度の開設に向けてカリキュラムや入試概要、広報資料、教職員の体制等、最終的な検討を進めた。本プログラムは、都心の1キャンパスに全学部が集う本学の強みを活かし、各専門分野の学びを深めることに加え、相互協力による学際的な学びを設けていることが大きな特長で、自領域、他領域の視点や思考法を学び、多様性に対する感性を養うことに重点を置いている。

留学生向け日本語科目で企業と連携したインターンシップ研修を実施

本事業構想で掲げる日本語教育の充実の一環として、イオン銀行と連携し、日本語上級レベルの留学生を対象に、ビジネス日本語習得のための実践的な講義とインターンシップ研修を織り交ぜた「インターンシップのためのビジネス日本語」を実施。日本での就職を希望する4カ国6名の留学生が参加し、ビジネス日本語とともに、日本での就職で必要となる準備やビジネスマナー、企業文化等を学んだ。インターンシップ研修では、人事、企画、国際事業、分析など様々な部門で活躍する社員と交流し、日本企業の文化やイオン銀行での業務内容、働き甲斐について議論を交わすことができ、日本語力向上のみならず、今後の就職活動に活用できる実用的な知見を得た。

海外大学院との連携プログラム強化

ジュネーブ国際・開発研究大学院

国際協力分野における教育研究活動の展開の一環として、前年度より交渉していたチュラロンコン大学(タイ)国際開発学研究科と本学のグローバル社会専攻の間で修士課程のダブルディグリーに関する協定を締結した。
また、多くの外交官や国連機関を輩出している著名な教育機関であるスイスのジュネーブ国際・開発研究大学院((The Graduate Institute of International and Development Studies)と3+2プログラムを構築した。当該プログラムにおいては、本学学生が学部で3年間学修後、先方へ進学し、2年間の修士課程で所定の成績を修めることにより、上智の学士号と先方の修士号を取得できることとなる。

海外指定校の拡充

新たに5つの高校と海外指定校に関する協定を締結し、2019年3月時点で本学の海外指定校は12カ国26校となり、海外指定校出身の学生は28名となっている。今年度の新規締結校は中国、東ティモール、ドイツ、タイと多岐にわたっており、さらに多様な人材の受入確保に資することとなる。

国際機関との教育連携の促進

調印式で握手する曄道学長とボアマAfDB上級副総裁(写真提供:AfDB)

本事業の構想で目指す人材育成の一環として、国際機関との教育連携を促進しており、本年度はアフリカ開発銀行(AfDB)と教育連携に係る協定を締結した。本協定に基づき、今後、学部生を対象とした研修プログラムの設計や、共同講座、セミナー、シンポジウムの開催について合意している。AfDBが研究交流のみならず、学部学生の長期研修も含まれる包括的な教育連携協定を日本の教育機関と締結するのは今回が初となる。

AJCU-APサービスラーニング・プログラムを主催

AJCU-APサービスラーニングプログラム

東南アジア及びオセアニアのイエズス会系大学が参加するコンソーシアム(AJCU-AP)で実施する「サービスラーニングプログラム)」を主催。本学学生を含め5カ国8大学から28名の学生が参加し、「Post-Disaster Community Recovery in Japan(震災後の地域コミュニティの回復)」をテーマとして、東日本大震災で被災した東北地方のコミュニティの現況を知り、現地の人々との交流から復興について学び、各自が社会でどう貢献をしていけるかを考える協働学習を行った。学生たちはそれぞれの国と地域が置かれた立場から活発な意見交換を行ってメンバー校間の親睦と連帯感を深めることができた。

教育支援事業を展開し、本事業を支援する事業会社をタイに設立

本事業構想に基づき設置した海外拠点「ASEANハブセンター」(タイ)の更なる発展、自走化への取組として、タイの会社法に基づいた非公開株式会社「Sophia Global Education and Discovery Co., Ltd.」(略称:Sophia GED)を設立。2019年度より活動を開始できる運びとなった。新会社は、教育研修支援事業(日本人学生がASEAN地域をフィールドとして学ぶ研修・スタディツアーの企画・実施、及び同地域から日本への留学支援・広報活動等)を軸とした営利活動を通じて収益を上げることができる会社法人として展開する。こうした収益は、本事業終了後の活動の継続性を担保するとともに、国際貢献への高い志を持つ人材育成につながる新たなプログラムの構築に充てられる。

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