上智大学

大学案内 『霊操』はイエズス会の精神基盤

『霊操』はイエズス会の精神基盤

『霊操』はイエズス会の精神基盤

現在もイエズス会員は司祭に叙階される前と後に2回、30日間の黙想を行っていますが、この黙想の教本が『霊操』です。この霊操はイエズス会の精神的な基盤となり、学校経営の教育方針ともなっているものです。霊操の精神修行に入る者は、まず第1週目は己の生活方針を認識する「原理と基礎」の黙想を行い、ついで「罪」についていろいろな考察や反省がなされます。

この黙想が終わると第2週目に入りますが、ここでは「キリストの国」についての黙想です。

霊操者はキリストを見つめ、主は神の国のため、共に奉仕するように、また世にあふれている悪と戦うように呼びかけます。このキリストの呼びかけを霊操者は拒否することはできません。しかしこの戦いは空しい名誉とか、物質的な利益とか、世の中で高い社会的な地位を狙うための競争ではありえません。

それは貧しいキリストと共に貧しくなり、世に見捨てられたキリストと共にさげすまれる「十字架の道」を選ぶことを意味しているのです。

この種のアンビションはルネサンス時代、多くの人々が追求した名誉、富、権力とは真っ向から反対した思想です。イグナチオのアンビションは自分を犠牲にしても他人に奉仕するということでした。

イエズス会の経営する学校は古くから良い成績を取ろうとする生徒や学生を激励する、いわゆる「点取り虫」を養成していると批判されてきました。外部からみるとそのような印象を受けるかもしれません。しかし、イエズス会の教育方針、とりわけ『霊操』を知る者にとって、一生懸命に勉強することを勧めるのは、個人的な利益のためではなく、社会に役立つ人間を育てようとするからです。怠け者よりも忠実にその義務を果たす人間こそ、神の国の実現と平和な社会の建設に役立つという考えです。

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