上智大学

大学案内 2020年度 新入生へのメッセージ

2020年度 新入生へのメッセージ

上智大学長 曄道 佳明

※曄道学長からのメッセージ動画もご覧ください(YouTubeに移動します)

 
皆さん、ご入学誠におめでとうございます。また、御父母、御関係の皆様にも、心よりお祝いを申し上げます。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、入学式の挙行を断念せざるを得なくなったこと、また、授業開始を遅らさざるを得ないことは非常に残念でなりません。皆さんの健康を第一に優先し、留学生への配慮、社会に対して果たすべき大学の責任などを熟考した結果、止む無く至ったこの判断に対して、ご理解を頂ければと思います。

私自身も皆さんのお顔を拝見しながら、直接お話をすることを楽しみにしておりました。このような事態に直面すると、デジタルな現代社会にあっても、人と人とが直接向き合うことの尊さを身に染みて感じます。上智大学教職員、そして在校生は、皆さんをキャンパスにお迎えすることを心待ちにしていました。

さて、この度の新型コロナウイルス感染症による社会の混乱は、改めて地球社会、人間社会のあり方について考えさせられる契機となっています。長い発展の歴史を持つ人間社会ですが、今、様々な意味で新たな局面を迎えているように思います。社会のグローバル化がもたらす否定的側面にどう向き合うのか、健全な地球環境をどう維持するのか、AIに判断を委ねる社会において人間の尊厳が保障される社会倫理をどう醸成するか、など、私たちはこれまでに経験したことのない課題に向き合い、遠くない将来にその答えを見つけなくてはなりません。そして、例えばここに挙げた三つの課題にあっても、これらは決して個々に独立的したものではなく、互いに強く関連し合う複合的な課題として捉えるべきものと言えるでしょう。

このような手強い地球規模の課題に対して、解決プロセスの中心で活躍する主役が皆さんです。まさに、新しい社会の構築に取り組む、時代の担い手として生きていくことになるのです。大学で、あるいは大学院で、思考力を高め、教養を深め、それぞれの分野の専門性を体系的に修得するということは、来る新しい社会に活躍の場を求め、これらの課題に向き合うための基盤を作るということでもあります。

上智大学は、キャンパスのグローバル化だけでなく、すべての学部、研究科がワンキャンパスに集結することで、文化、言語、価値観の多様性だけでなく、学術的な多様性をも備える稀有な教育・研究環境を誇っています。90ヶ国からの留学生が集い、世界に370余のパートナー大学を有し、9学部10研究科が集まるこのキャンパスは、真の多様性の中で議論を重ね、創造的な解を導き出す訓練ができる屈指の環境と言えます。上智大学ならではの教育プログラムを、余すことなく、ふんだんに活用し、自分の成長を最大限に図ってください。

皆さんはいずれ社会の中で先導役となることが期待されています。入学のこの機会に、これからの社会に期待されるリーダー像について考えてみてください。局所的な視点と大局的な視野を有すること、多様な価値観の中から合意形成を図ることができることなど、様々な資質がリーダーには問われます。

しかし、次代の社会では、何よりも、自身の卓越した能力を他者に、特に弱者に還元できるリーダーが待ち望まれているのではないでしょうか。上智大学が教育精神として謳う「Men and Women for Others, with Others」とは、人間の尊厳を重んじ、常に他者のために、他者と共に在り続ける人の育成を意味しています。

これから上智大学のキャンパスにおいて皆さんが経験する、あるいは挑戦する様々なハードルは、皆さん自身を高めるだけでなく、社会に新たな導きを与えるリーダーの育成のために存在しているのだと自覚してください。そして、この度の新型コロナウイルス感染症による社会の動揺のように、大きな課題に人間社会が直面する場面においても、皆さんの視線は、常に社会で弱き立場にいる人々に向けてください。上智大学のキャンパスで、社会を先導しつつ、常に弱者への眼差しを忘れないリーダーへと成長してもらいたいと思います。

入学式を挙行できなかったことの無念な思いを胸に、私達、上智大学教職員は、特別な思いで皆さんをキャンパスにお迎えします。ご入学、誠におめでとうございます。


2020年(令和 2年) 4月 1日
上智大学長 曄道 佳明

上智学院理事長 佐久間 勤

晴れて上智大学に入学された皆さん、おめでとうございます。また、ご家族、関係者の皆様にも、心よりお祝いを申し上げます。ご家族やご関係の皆様も、上智という一つの共同体、共に歩むファミリーの一員としてお迎えできることは大きな喜びです。

皆さんがこれから関わるであろう世界は、ますます一つになっていきます。一国で生じたことが世界全体に大きな影響を与えることを、私たちは身にしみて感じているところです。地球は私たち共通の家であり、誰も自分には関係がないとか、自分のしていることなど世界に影響は無いなどと言えなくなっています。そこではともすれば利害が対立し、相互の理解が得られないため、分断や暴力にまで至る衝突が世界を覆いつつあります。分裂した世界の状況は私たち個人の身の回りの状況にも等しく存在します。私たちの方が、むしろ、世界全体の風潮の中に呑み込まれていると言うべきでしょう。

上智建学の理念、教育精神である「他者のために、他者と共に」生きる人となる、という目標は、現代の対立や非寛容に直面して、相互理解と和解をもたらす人となるということを意味します。皆さんには、これからの学びにおいて、それぞれの専門分野を深めるだけでなく、常に、和解を必要としている世界、皆さんが将来出会い関わり合うであろう人々の必要を意識していただきたいと願います。

情報の集積や合理性の追求だけで人間が形成されるわけではありません。人間は、ふつう合理性とは対立するように言われる「感情」や「欲望」によって大きく動かされます。合理的な正しい判断だと信じていても、実はその根底にある感情や欲望に縛られていて、自由な判断ではないことがしばしば起こります。ウイルス蔓延のパニックが物資の買い占めという無意味な行動へと駆り立てましたが、恐れが理性を支配する典型的なケースです。そのような例は世界レベルで多数、生じています。

上智で学ぶ皆さんには、人間というものがどういうものなのかを学んでいただきたい。和解を必要とする人々のために、また人々と共に生きるには、自己の世界から出て、より高い次元から自己と他者を見ることが必要です。自分の慣れ親しんだ世界から出て、未知の世界や異なる世界に生きる人々を理解するには、しばしば苦痛が伴います。自己自身を知り、自己を支配している感情や諸々の思いから自由になるという苦しみや、また目指す目標に達するまで諦めず考え行動する忍耐という自己への挑戦が、避けられません。

ですから皆さんには、これから何かを始めようと意気込んでいる今日という日を大切にしていただきたいのです。第一歩を踏み出すその日にしばし心を静め、これから何をしようとしているのか、何を求めて生きようとしているのか、そしてそれは、生涯にわたって、苦難や挑戦にも左右されることなく、求め続けることができるほどの価値あるものなのかをしっかり見極めてください。それを軸として知識や技能、日々の体験を統合していってください。卒業の日にそれらが皆さんの人格を成熟させているでしょう。上智での学びが皆さんにとって人生の宝となりますように願って、入学のお祝いの結びといたします。


2020年(令和 2年)4月 1日
学校法人上智学院 理事長 佐久間 勤

上智大学後援会会長 佐藤 潤一 様

新入生の皆さん、上智大学ご入学誠におめでとうございます。またご父母をはじめとする保証人の皆様心よりお喜び申し上げます。上智大学後援会を代表し、心からお祝いを申し上げます。

上智大学は東京の最も中心に位置し、文理が一つのキャンパスに存在するという恵まれた環境にある総合大学です。また他大学に先駆けてグローバル教育に力を入れ世界の多くの大学と提携を行っています。みなさんの気持ち一つで学部を超え、国境を越えて学ぶことも可能であり、様々な人々との出会いが可能な環境にあります。どうぞ失敗を恐れずチャレンジし続ける学生生活を送ってください。

また上智大学はイエズス会によって創立され、教育精神として「他者の為に、他者とともに」を掲げています。入学して初めてキリスト教や聖書に触れる方も多いと思いますが、学内には神父様が身近に歩いていらっしゃいますし、大学の隣には同じくイエズス会が管轄する聖イグナチオ教会があります。折角上智大学に入学されたのですからどうぞお時間がある時には教会の門を叩いてみてください。この先行き不透明な時代を生き抜くための真の知恵がそこで得られると思います。  
  
上智大学後援会について簡単にご説明いたします。後援会は大学創立60周年を迎えた1973年に、当時の在学生の父母・保証人によって設立された任意の団体でございます。設立のきっかけは、イエズス会所属の先生方が給与から毎年多額の寄与をされているという献身的な姿勢を知った事でした。以来40年以上にわたり、私どもはこの当時の思いを代々引き継ぎながら学生達を応援して参りました。

現在、会員は在学生の父母・保証人約1,200名で構成され、学生の学習環境を改善し、有意義な学生生活を送ってほしいとの家族の願いで当会は運営されております。そしてこの後援会活動の大きな特徴は、「父母の視点」で学生を支援している、という点にございます。支援が必要な学生への奨学金や、顕著な功績を残した課外活動団体への助成、英語学習アドバイザーや留学カウンセラーの配置費用補助、さらには学生達に大変好評な「100円朝食」への補助の実施など、様々な活動を会員の皆様のご支援により行っておりまして、引き続き継続して参ります。

上智大学は学生、ご父母・保証人、教職員、卒業生を大きな家族と捉える「ソフィアファミリー」という言葉がございます。上智大学は、大学と学生、また大学と我々親との距離がとても近い温かい大学です。皆様もソフィアファミリーの一員として、是非お子様と共にこの上智大学を楽しんで頂ければと思います。

結びになりますが、上智大学での学びが、新入生一人ひとりの生涯にわたる貴重な財産となる事、そして共に歩まれるご家族の皆様のご多幸を心からお祈りして、私からのお祝いの言葉とさせて頂きます。

2020年(令和 2年)4月 1日
上智大学後援会 会長 佐藤 潤一

 
*写真撮影協力:KEIGADO