上智大学

大学案内 理事長メッセージ

理事長メッセージ

上智学院理事長 佐久間 勤

学校法人上智学院理事長 佐久間 勤
学校法人上智学院理事長 佐久間 勤

 新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延により、大学教育のあり方も変化を迫られています。特にリアルな海外交流が制限されたことはグローバル化を推進する上智大学にとっても痛手でしたが、国内の留学生はもとより海外でも本学の海外拠点を中心に支援を行いました。とりわけ昨年からさらなる教育機能の活性化を期して事業会社を設立したバンコクの「ASEANハブセンター」では、完全オンライン授業を導入して事業継続に努めています。

 コロナ禍により最も変化したのは、世界中の大学でオンライン化が一挙に進んだことです。これにより例えば海外大学で最先端の研究を行う教授を遠隔で招聘するなど、従来にない研究交流などが期待できます。本学もそうした可能性を制度として確立すべく動いています。

 世界を覆うコロナ禍は、ある面で世界の大学機能を平準化しました。したがってこれからは大学独自の役割がさらに強く意識され、また世界の中でその役割がどのような価値を担うのかが評価されるでしょう。上智大学はグランドレイアウトとして「世界に並び立つ大学」を標榜していますが、今後はより明確に世界の中での役割を強く意識しつつ、世界から期待される大学価値を追求します。

 新たなチャレンジを含めたグローバルな学びを推進する一方で、不変のものとして守り続けていくのは上智の教育精神である国際性と隣人性(Men and Women for Others, with Others)です。一昨年訪日、来学された教皇フランシスコには「弱い立場にある人を最優先することを忘れないように」というメッセージをいただきました。またSDGsに関するメッセージでは、単なる環境問題の解決に留まらず「誰ひとり見捨てない」というキリスト教的ヒューマニズム精神を活かすことを伝えてくださいました。つまり人が皆等しく尊重される世界の建築へと促してくださったのです。そうした姿勢において上智の精神というものは、まさにこの困難な時代、非常に重要な意味を持ってくるだろうと思います。

 上智の精神を基盤とする教育を進めるなかで、特色ある柱のひとつは環境問題の取り組みです。持続可能な未来のための特別な教育プログラムが学部横断で発足しています。SDGsに関しては教育格差の問題なども重要な柱です。また世界に目を向けると人口が増加し、多くの課題を抱えるアフリカについても現地のカトリック系大学との繋がりを起点に、人的・学問的交流を活性化させていきます。

 世界には解決しなければならない課題が無数にあり、大学はそれにどう応えるかが問われています。本学においては、学生の皆さんがそうした世界の現実に触れる機会をさまざまに用意し、皆さんがあるがままに世界を見て、柔らかい心で何かを感じ、その上で自らの考えを組み立てるという学びを応援します。困難な時期にあってもできる限り有益な勉強の機会を提供してまいりますので、ぜひ「世界を意識する学び」に取り組んでほしいと願っています。


上智学院 理事長
上智大学 神学部 教授
佐久間 勤

1952年生まれ。1975年京都大学理学部卒、1980年上智大学大学院哲学研究科博士前期課程修了、1984年在フランクフルト聖ゲオルク哲学神学大学神学部修了、1988年在ローマ教皇立聖書研究所聖書学部修士課程修了、1995年在ローマ教皇立グレゴリアン大学神学部博士課程修了。2001年上智大学神学部教授、2011年聖母大学長、上智社会福祉専門学校校長、上智学院理事を経て現職。