上智大学

大学案内 上智大学 すべての学生の皆さんへ ~新年度の始まりにあたり~

上智大学 すべての学生の皆さんへ
~新年度の始まりにあたり~

上智大学長 曄道佳明

2020年4月1日
上智大学長 曄道佳明


学生の皆さん、新学期が始まりました。本来であれば新入生を迎え、新しい一年に向けた様々な準備期間として活気を取り戻すはずのキャンパスも今は閑散としています。皆さんと共に、この新しい日を迎えることができないことを、教職員一同残念至極に思います。

猛威を振るう新型コロナウイルス感染症の拡大と世界の混乱は、残念ながら未だ終息への見通しを立てることができずにいます。亡くなられた方々、またそのご家族に心から哀悼の意を表すとともに、罹患された方々の一刻も早いご快癒をお祈り申し上げます。

全世界を覆うこの危機に直面し、皆さんはどのように向き合い、どのような思いを持たれているでしょうか?不要不急の外出の自粛など、私たちの生活にもいくつかの要請事項が出されています。不要不急の定義や、自粛要請の度合いなど、その基準の解釈をめぐって曖昧さを指摘する声も聞かれますが、今はまず、生命を守るための適切な判断を行って頂くことを強くお願いしたいと思います。

私たち上智大学の教育精神である「他者のために、他者とともに」は、一人一人が、奉仕の精神をもって、そして叡智を発揮することで、他者、特に弱者の存在を思う中で行動することを呼びかけています。今、まず私たちにできる取組みは、この感染症の拡大を担う存在にならないことでしょう。軽率に感染拡大の原因者になることは、身近な存在はもちろん、世界の遠い存在の人々に対しても、この脅威を運ぶ担い手になってしまうことを意味します。私たち自身もまた、直接ふりかかる危険の中にいるのです。世界のすべての人々が、感染症の罹患に怯え、この影響による大きな経済的困難と向き合い、日常生活の維持に支障をきたす弱者となる可能性を排除できないのですから。

この状況下で、皆さんには、今一度上智大学の学生としての自覚を呼び覚まして頂きたいと思います。今自分に何ができるのか、すべきことは何か、そしてこの危機の終息の後に、どのような役割を果たすことができるのか、と。授業の開始は遅れますが、皆さんがこれらの問いに向き合い、答えを見つける時間を大切にしていただきたいのです。今の緊張した状況を私たちの在りかたを問われるチャレンジと受けとめて、授業開始の時に備えてください。

近く、皆さんとキャンパスでお会いすることを楽しみにしています。その時には、まだすべてが平穏無事な状況ではないかもしれません。しかし皆さんが、この危機を意味のある糧として吸収し、社会の再起と新たな発展に対する眼差しを向けていてくださることを強く望みます。

すべての人の、そして世界全体の一刻も早い回復を祈り続けたいと思います。