上智大学

大学案内 2020年度新入生・編入学生向け入学式の学長式辞、新入生代表の言葉を掲載しました

2020年度新入生・編入学生向け入学式の学長式辞、新入生代表の言葉を掲載しました

 上智大学長 式辞 

曄道佳明 学長

皆さん、ようこそ上智大学へ。ご入学おめでとうございます。ご家族、ご関係の皆さまにも、心からお喜びを申し上げます。

ようやく入学式という正規のセレモニーの場によって皆さんをお迎えする運びとなりました。一刻も早くこの時をと願ってまいりましたが、丸1年の時を経てしまったことは痛恨の極みであります。昨秋の新入生歓迎会、様々な交流イベントなど、皆さんと共にある時間の創出に努めましたが、皆さんの期待に充分に応えられなかったことを心から遺憾に思います。

6号館101教室を会場に、計6回の分散開催

昨年春から今日に至るまで、皆さんは、私たちは、そして社会は、これまでに経験のない激動の1年を過ごしてきました。皆さんにとっては、高等学校から大学への進学、あるいは大学院への進学という節目の時に、コロナ禍の拡大が始まり、あるべき日常が突然中断しました。学ぶ環境の大きな変化とコロナ禍による社会環境の激変とが重なり、大きな混乱の中に放り出されたと感じたのではないでしょうか?

少し客観的にこの時期を振り返ると、また今を見つめ直すと、この混乱は世界のすべての人に生じているものであり、私たちは地球社会のありようを根元から創り直していく必要があることに気づいています。そこでは、このような災禍において、地球社会の中で、個人が、地域が、国が繋がりあい、世界各地で生じるほころびを、協調と調和の精神の下で回復させる、枠組みや態勢が必要とされるからです。

写真撮影用の看板も「2020年度」仕様

一方、協調、調和の必要性を共通認識にできたとしても、多様性に富む地球社会の中で、新しい社会の在り様を議論することは、そう簡単、単純なことではありません。いつの世でも、このような社会の転換期には、置き去りにされる人々が発生し、常に国際社会の課題になってきたことは、私たち人間が繰り返し、繰り返し経験してきたことでもあります。SDGsに謳われる“誰も取り残さない”は、まさに今突き付けられる地球課題であります。私たちは本当に他者に、弱い立場にある人たちに目を向けながら回復を図ることができるでしょうか。私は、それを実現することこそを、人類の叡智と呼びたいと思います。

上智大学は、建学の理念を“国際性”、“隣人性”として謡い、100周年を迎えた2013年より、“叡智が世界をつなぐ”というスローガンで表してきました。また、教育の精神を“他者のために、他者とともに”、“Men and Women for Others, with Others”という言葉で表現しています。まさにこの災禍にあって、弱き立場にある人々に目を向けながら、平和で豊かな社会へと回復を図るリーダー像を掲げているのです。それは、学生である皆さんへの要請にとどまりません。私たち教職員も、そして卒業生も含めた大きな共同体として、この先導役を果たさなくてはならないと思っています。その意味で、上智大学は、学生、職員、教員により、その理念や精神に沿った、そして時代の要請に合った研究教育拠点として、叡智の能動的発信基地でありたいと思います。

北門に新入生歓迎のバナーを設置

コロナ禍の影響による私たちの生活の変化は、まだまだ終息の道筋が見えるものとなっていません。それでも今までに得られた知見と構成員の協力によって、柔軟に、着実に前進をしていきたいと思います。それに際して、学生の皆さん、そして私たち教職員は、私たちより不便を、厳しい闘いを強いられている人たちが世界に多くいることを忘れてはなりません。私たちは、集う拠り所を持ち、学び、研究する機会を与えられているごく少数の集団であります。その自覚の下、今私たちが何をすべきか、どこに向かうべきか、一人一人が、また仲間たちと共に、そして教職員・学生が一体となって考え続けましょう。

皆さんに不便な学生生活を強いていることを心から残念に思います。私たちとしては、皆さんの学生生活の充実に向け、皆さんの声を聞きながら、でき得る限りの取り組みを順次行ってまいります。そして、みなさんが上智大学を巣立つときに、この大学に入ってよかったと思える環境づくりに全力で尽くしていきたいと思います。

最後にもう一度お伝えしたいと思います。ご入学おめでとうございます。ようこそ上智大学へ。

2021年3月
上智大学長 曄道 佳明

 新入生代表による挨拶 

3月29日(月) 第1回

春の光と草木の芽吹きが、新たな一歩へと背中を押してくれる季節となりました。本日、上智大学の入学式を迎えることができ、大変嬉しく思います。新型コロナウイルスが今尚猛威を振るう中、私たち2020年度新入生に対してこのような形で入学式を催してくださったことに、曄道学長をはじめ、ご関係の皆様に心より感謝申し上げます。

私たちは、未曾有の状況下で大学生活を迎え、オンラインを中心とした新たな環境で新しい一歩を踏み出さざるを得ませんでした。期待していた大学生活が送れず、苦しく、悔しく思うこともありました。しかし、先生方、職員の方々、先輩方を始めとする周囲の方々が心尽したサポートをしてくださり、同級生と共に助け合い、協力し合ったことで乗り越えることができました。周りの支えによって歩むことのできたこの一年は、多くの気づきを得た成長の一年であったとも言えます。

その1つを上智大学の教育精神「他者のために、他者とともに」という言葉が物語っています。「他者のために」自ら行動することは容易ではありません。異なる他者を理解し、思いやり、手を取り合いながら行動していくことが求められます。この姿勢は、グローバル化が進展する世界においても重要なものです。新型コロナウイルスの感染拡大は、今までの「当たり前」が恵まれたものであったことに気づき、他者に想いを馳せるきっかけとなりました。格差、差別、不平等をはじめとするグローバルな問題を浮き彫りにすると同時に、今まで目が向けられてこなかった日常に潜む問題にも光を当てました。

私は、昨年、上智学院ダイバーシティ推進室主催のダイバーシティ・ウィークにて、コロナ禍で障がい者が抱える問題に焦点を当てたオンラインイベントを実施しました。多様な問題の理解と共生について考える場を作りたいと企画する中で、コロナ禍の新たな問題として注目されたことの多くが、コロナ以前から当事者が向き合ってきたものであることを知りました。見えていなかった問題の多さを痛感すると共に、広い視野を持って他者を知り、「他者のために」「他者とともに」より良い世界を築いていくためには、自ら学び、経験する必要があることを実感しました。

世界は大きな分岐点に差し掛かり、新たな解決策が求められています。複雑に絡み合う問題であるからこそ、多面的なアプローチが欠かせず、学問分野を超えた協力が必要です。大学は、この解決策を探し求めるための土台を育む場であり、個々の問題意識をもとに専門知識を学ぶのはもちろんのこと、多様性を尊重した思考を獲得する場でもあります。国際的な視点を持ち、幅広い学問分野を専攻する学生が集う上智大学での学びは、他者を理解し、共に新たな選択肢を創造する真の叡智を探求する一助になると考えます。

厳しい状況が継続しますが、この入学式を一つの区切りとして、上智大学で学べる有り難みを心に刻み、支えてくださっている方々に改めて感謝します。そして、新たなグローバル世界のあり方を切り拓くために必要な知識・技能・経験を積んでいけるよう邁進していくことを誓い、新入生代表の挨拶とさせていただきます。


2021年3月29日
2020年度 新入生代表
総合グローバル学部総合グローバル学科 大谷 理歩


3月29日(月) 第2回

柔らかな日差しと心地良い風が、春の到来を告げる季節となりました。本日は私たち新入生のためにこのような素晴らしい場を設けていただき、誠にありがとうございます。私たち新入生が上智大学に入学してはや一年が経とうとしている今日、例年とは異なった形とはなりましたが、無事入学式が挙行されたことにとても大きな喜びを感じるとともに、曄道学長をはじめ、関係者の皆様に対しまして、新入生を代表して心から深く御礼申し上げます。

新型コロナウイルス感染拡大は、私たちの生活を大きく一変させました。想像していた大学生活とは大きく異なり、多くの学生が、先行きの見えない毎日に不安ややるせなさを感じたと思います。一方で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って日常生活や他者との関わりが厳しく制限されることで、当たり前の日常の有難さを実感するとともに、家族や先生方、友人との繋がりの重要性に気づかされるきっかけとなりました。

この気づきは、上智大学の建学の理念の一つに掲げられている「隣人性」を連想させます。隣人性に基づく利他的な行動は、「他者のために他者とともに」という本学の教育精神に沿うものであると、改めて認識することができました。この一年の大学生活は、上智大学の理念の重要性を理解する上で、決して無駄ではない、意味を持つ一年になったと思います。また、次年度から対面授業が再開された時、大学生活を共にする仲間との繋がりをより一層大切にする姿勢を生み出し、そしてそのような姿勢が学びの質の向上に繋がるのだと思います。

私は上智大学において、看護学科の学生として勉学に励んでいきます。コロナ禍において最前線で奮闘する医療従事者の方々の姿を目にし、看護師として医療現場に立つうえでの責任の重さを感じました。上智大学特有のカリキュラムの下での幅広い分野の学びと、各種専門分野を学ぶ仲間との関わりの中から生まれる発見を生かして、患者の個性や患者のニーズの変化に柔軟に対応し、様々な側面から患者に寄り添うことができる看護師を目指したいと思います。上智大学で出会う仲間と互いに切磋琢磨し合いながら、それぞれの専門性の垣根を越えて多種多様な側面で社会に貢献することに可能性を見出すことに努めます。

最後になりましたが、「隣人性」と「国際性」という、現代において比重の大きい概念を理念とする、上智大学という素晴らしい環境で学ぶことができることに感謝申し上げます。この入学式を新たなスタートラインとして捉え、上智大学生としての責任と自覚を持ち、本学の素晴らしい学習環境と曄道学長をはじめとする先生方、家族、地域の方々の支えに感謝する気持ちを忘れず、勉学に勤しむことを誓います。そして、新型コロナウイルスの感染拡大が一刻も早く収束し平穏が戻ることを願い、新入生代表の挨拶とさせていただきます。

2021年3月29日
2020年度 新入生代表
総合人間科学部看護学科 世良 明日花


3月30日(火) 第1回および第2回

何時にも増して足早に訪れた春の祝福を受け、私たち新入生は一年越しの入学式の日を迎えました。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、例年のように同期生と一堂に会することは叶いませんでしたが、新年度を迎えるにあたり一つの節目としてこのような機会を設けていただき、曄道学長を始めとするご関係の皆様に、心より感謝申し上げます。

様々な制約が課せられる昨今の状況下にあっても、途切れることのない学びと知の追求が許され、豊富な資源と多才な学友に恵まれたこの上智大学の環境が、如何に貴重なものであるかを身にしみて感じております。

さて、私たちが入学した昨年度は、未曽有の社会的危機のさなかに幕を開けました。東日本大震災の発生から10年を迎えた今、私たちは再び、思いも寄らない方向へと向かう大きな社会変化に直面しています。今回の災禍は、人類が改めて人間社会のあるべき姿を問い直し、従来の価値観や体制を見直す契機となりましたが、私たちが今後も、このような時代の転換点に複数回立ち会うであろうことは、想像に難くありません。

こうした激動の時代の中、物事の本質を鋭く認識する洞察力の必要性が、これまで以上に増しているように感じます。今回のパンデミックに限らず、デジタル化が加速する現代社会では、限定されたコミュニティの中でデマや扇動的なメッセージが共有され、往々にして社会の混乱を招きます。

併せて、物事の内情を推し量る想像力も肝要です。連日、新規陽性者数や死亡者数といった定量的なデータが発表されますが、私たちには、その数値の裏に隠された個々の実情に思いを巡らせ、生身の他者に寄り添う姿勢が求められています。グローバル化が進展する以前から、人と人との直接的な交流を主軸に発展してきた人間社会においては、この種のしなやかな感性や思慮深さが、何よりも大きな意味を有するものと確信しています。

学びを通して得た知を社会に還元できるよう、豊かな人間性を育み、新たな価値の創出に向けて模索を続けていく所存です。

最後になりましたが、このような苦難の時代に、私たち新入生が今日という日を迎えられたのも、偏に大学関係者の皆様や家族・保証人の方々のご支援によるもので、感謝の念に堪えません。

先行きが不透明な状況ではありますが、将来の明るい展望を決して欠くことなく、これからの学生生活を私たちの手でより一層実り多いものにしていくことをここに誓い、新入生代表の挨拶とさせていただきます。

2021年3月30日
2020年度 新入生代表
法学部法律学科 鈴木 邑奈


3月31日(水) 第1回

2020年4月1日、私たち新入生は上智大学に入学いたしました。新型コロナウイルス感染拡大の影響で例年通りの入学式が開催されることは叶いませんでしたが、入学から1年経った本日このような式典を挙行していただき、誠にありがとうございます。曄道学長をはじめ、ご関係者の皆様に新入生を代表して、心より御礼申し上げます。

上智大学は国連をはじめとする国際機関など様々な分野で活躍する多くの卒業生を輩出しています。このような栄えある学府で、縁あり同じ大学に入学した仲間達とそれぞれの専門知識を学ぶ大学生活はこれからの長い人生の大きな糧となるでしょう。

私たち新入生の大学生活は新型コロナウイルスの世界的流行の中で始まりました。その影響は大きく、この1年間は多くの学生にとって想像していた大学生活とはかけ離れたものでした。その中で、私たちができるベターな行動は何なのか、私たちの学びをどう継続していくかを先生方、学生達がそれぞれ考え行動に移してきた1年だったかと思います。そして、新型コロナウイルスとの戦いは今でも続いていますが、このような混乱した社会でこそ他者を意識し自分の行動が他者にどのような影響を与えるかをよく考えて行動していくことが求められると考えます。

また、私たちが上智大学の学生として学べるという恵まれた環境に感謝し、その上でグローバル化、デジタル化、新型コロナウイルスという大きな変動が起こっている社会で生き延びていくためにも専門知識を深めることはもちろん多様な教養を学び続けていこうと思います。また、上智大学の教育精神「他者のために、他者とともに」という言葉が示すように、自分が得た教養を他者のために役立てていけるよう努めてまいります。
 
最後になりましたが、曄道学長をはじめ、ご関係者の皆様、そして本日まで私たちを支え、応援してくださった家族や保証人の皆様に、上智大学で学ぶ機会を与えていただいたことに改めて感謝申し上げます。これからも勉学に励み、自己の人格を磨き上げていくことを誓い、新入生代表の挨拶とさせていただきます。

2021年3月31日
2020年度 新入生代表
経済学部経済学科 城川 和真


3月31日(水) 第2回

日毎に春めき、あたたかな日差しに心躍る季節となりました。本日は、私たち2020年度新入生のためにこのような式典を催していただき、誠にありがとうございます。曄道学長をはじめ、関係者のみなさまに新入生を代表して御礼申し上げます。昨年4月、私たちは未来への希望と可能性を胸に上智大学に入学いたしました。新入生全体での入学式やオリエンテーションでの交流は叶いませんでしたが、入学して1年が経ち、学びへの決意を新たにする機会をいただき、大変嬉しく思います。

昨年は、新型コロナウイルスが世界的に流行し、様々な局面において生活に変化をもたらしました。日本では緊急事態宣言が二度にわたって発令され、思い描いていたものとかけ離れた現実に直面する中で、これまで当たり前とされてきた日常がいかに貴重で特別なことであったかを身をもって体験いたしました。昨年度、上智大学では全面的にオンラインで授業が行われました。私たち学生の安全と学びの機会の両方を確保し、質の高い授業を提供してくださった先生方に感謝いたします。

歴史を振り返ると、人類は幾度となく伝染性の病気を経験し戦ってまいりました。ウイルスという目に見えない脅威は、医療が現代ほど発達していない中、多数の死者を生み出し、原因不明の病気として人々に恐れられました。しかしながら、困難な状況下においても、恐怖心に負けず、努力を続け、学びを諦めない人々の姿があったからこそ、人類はそのような未曾有の危機に立ち向かい、打ち勝ってきたのだと思います。新型コロナウイルスの世界的流行を前にして、私たちは同じ境遇に立たされています。このような時だからこそ、未来を担う人材として高い志とあくなき探究心を持ち、勉学に励んで参りたいと思います。

昨今の国際情勢に目を向けると、あらゆる局面で差別や対立が絶えず、人々の分断が大きな問題となっています。確固たる信念を持ち、より良い社会の構築を目指す「他者のために、他者とともに」という上智大学の教育精神は、今こそ求められているように感じます。グローバル化が進み物事がより複雑に絡み合う中で、柔軟な理解力と総合的思考力は不可欠です。そして、現代社会が抱える様々な課題に向き合い、異なる価値観を持つ他者を受け入れながら、培った知識を発揮して社会に貢献するところに、上智大学で学ぶ者の「叡智」があると思います。

これから私たちは進級し、より専門的な知識を深めます。世界に開かれた上智大学において、幅広い教養と多角的な視野を身につけ、未来を見据えて進んで参りたいと思います。変革し続ける世界に身を置きながら、学問の真髄を見極め、知的探究に励み、いつの日か国際社会に寄与できる人材となれるよう努めてまいります。最後になりますが、曄道学長をはじめ、先生方、関係者の皆様、そして本日まで私たちを支えてくださった保護者の方々に改めて感謝申し上げ、新入生代表の言葉とさせていただきます。

2021年3月31日
2020年度 新入生代表
外国語学部英語学科 相良 汐子