2007年度上智大学シラバス

2007/03/01更新
◆環境倫理 - (春)
鬼頭 秀一
○講義概要
 いま世界のさまざまな地域で起こっている環境問題、例えば開発と環境保全という問題に対して、環境倫理学は何を提示することができるだろうか。そこでの、何らかの解決、あるいは合意の形成ということに対して、ある種の普遍的な指針を提示することができるのだろうか。地球全体、あるいはさまざまな地域における、環境にかかわる意思決定に関して、地域の文化や社会的特殊事情を鑑みたとき、環境倫理学はどうかかわることができるのだろうか。その辺りの問題を、具体的な事例の分析も含めて、環境倫理学の枠組みがどうあるべきか、特にその普遍性にかかわる問題を中心に講義したい。
 自然は誰のものでもないが誰もがかかわることができるものである。そのような自然資源や景観の持つ「公共性」と「共同性」のあり方を検討すし、従来議論されてきた自然の価値や権利という概念を再検討する。一方、「環境正義」は、この「公共性」やあるいはさらには、環境倫理全体の枠組を検討するためにも重要な概念であり、それを再検討し、最終的には、新しい枠組の環境倫理学を構築していく。
○評価方法
リアクションペーパー(40%)、レポート(60%)
○テキスト
丸山徳次(編)『岩波 応用倫理学講義 2 環境』、2004年。
鬼頭秀一『自然保護を問いなおす-環境倫理とネットワーク』ちくま新書、1996年。
桑子敏雄『環境哲学』講談社学術文庫、2001年。
講座『人間と環境』昭和堂、2000年。
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1環境倫理学の構成
2環境倫理学の歴史的概観
3自然(特に二次的自然)と人とのかかわりと生物多様性に関する共進化モデル
4「自然の権利」運動と「自然」の「公共性」
5環境倫理学と公共性、所有
6「共同性」と「公共性」──所有論的アプローチの諸相
7コモンズ論の展開と環境倫理学
8動的構造論と環境倫理
9「環境正義」をめぐって
10環境正義概念のグローバル化と環境倫理学の枠組
11リスクの科学と社会リンク論
12新しい環境倫理学の枠組を求めて

  

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